ゴルフ場には「歩行禁止エリア」が意外と多い!? 忘れがちな“歩行マナー”と歩かないための注意点とは?

使用しないティーイングエリアやサブグリーンなど、ゴルフ場には「歩いてはいけないエリア」がいくつかあります。

自分が使用するティーイングエリア以外は歩いてはいけない

 全組キャディーつきプレーのゴルフ場でラウンドしたときのこと。キャディーさんがスタート前のあいさつを終えてから、「コースからお客様にお願いがいくつかございます」と切り出しました。

 その一つに「ご使用になるティーイングエリア以外を歩かないでください」というのがありました。「そんなの当たり前だろう」と思ったのですが、当たり前だと思っていない人がいるから、わざわざお願いをするのだろうと思い直しました。

自分が使用する場所以外のティーイングエリアは基本的に歩行禁止エリアになる 写真:AC

自分が使用する場所以外のティーイングエリアは基本的に歩行禁止エリアになる 写真:AC

 昨今のゴルフ場はレギュラーティー以外にバックティー、シニアティー、レディースティー、ゴールドティーなど、4~5種類のティーイングエリアを設置している施設が多くなりました。

 これらのティーイングエリアはフェアウェイに向かってほぼ一直線に配置されている場合もあれば、池越えや谷越えを避けるように別アングルで配置されている場合もあります。

 ほぼ一直線に配置されている場合は、レギュラーティーでティーショットを打ち、そのままフェアウェイに向かって真っすぐ歩くとシニアティー、レディースティー、ゴールドティーに突き当たります。

 ティーイングエリアの上を通ると最短距離でフェアウェイにたどり着くとしても、ティーイングエリア保護のため迂回してくださいというのがコースからのお願いでした。

 筆者がゴルフを始めた2000年当時はレギュラーティー以外にバックティーとシニア&レディースティーの2種類くらいしかありませんでした。

 そしてティーショットでチョロを打つと、不思議なことにシニア&レディースティーの上にボールが止まるんですね。

 当時はキャディーつきプレーが主流でしたから、「こういう場合はどうすればいいですか?」と聞くと、「無罰で救済を受けて、右側か左側か、どちらか近いほうのラフにボールをドロップしてください」と教えてくれました。

 ボールがサブグリーンの上に乗ったときも、同じように救済措置を教えてもらいました。ですからシニア&レディースティーやサブグリーンはボールを拾う以外の目的で歩いてはいけないということを自然と覚える機会がありました。

 でも今のゴルファーはセルフプレーでゴルフを覚えますから、自分が使用する以外のティーイングエリアやグリーンの上を歩いてはいけないというマナーを知らない人が増えているようです。

18ホールを歩きでプレーすると最短距離を取りたくなる

 スタート前にキャディーさんからお願いされたので、当然のことながら、筆者を含む同伴者全員がシニアティーなどを迂回しながら歩きます。そのゴルフ場は乗用カートの用意はあるものの、高齢者や特別な事情があるプレーヤーしか利用できないので、基本的に18ホール歩きプレーです。

 キャディーさんが操作する手押しカートとボールの間を行ったり来たりしながらクラブを取り替え、ショットを打ち進めていきます。前半9ホールは4人とも元気よく歩き、「ひさしぶりの歩きプレーは気持ちいいね」「いい運動になるね」などといいながらハーフタイムにランチを食べました。

 しかし後半に入ると次第に疲れが出てきます。昨今はほとんどのラウンドが乗用カートを利用したプレーですから、18ホールを歩き続ける脚力がありません。

 そうすると人間は歩く歩数をできるだけ少なくしたいという意識が働くようで、気づいたら同伴者の1人がシニアティーの上を何気なく歩いています。「ティーイングエリアの上を歩いちゃダメだよ」と指摘すると、「あっ、そうだった。足が疲れてきたからボーッとしていたよ」としきりに恐縮していました。

 キャディーさんの表情を見ると、「みなさんがお気づきになっているなら、私のほうからはあえて指摘はしません」といった様子でした。おそらく“18ホール歩きプレーあるある”なのでしょう。

 マナーを知っていても、疲れてくるとマナー違反をしてしまうケースがあることを思い知らされた1日でした。

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