異例の早朝スタートにも動じず岩井千怜が大会連覇! ポイントランキング1位浮上も「まだまだこれから」

RKB×三井松島レディスの最終日を首位タイから出た岩井千怜(いわい・ちさと)が6バーディー、1ボギーの「67」で回り、通算12アンダーで大会連覇を飾った。開幕戦に続く今季2勝目でツアー通算6勝目を手にした。

現地観戦に訪れた母親の前で「母の日連覇」達成!

◆国内女子プロゴルフ<RKB×三井松島レディス 5月10~12日 福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県) 6305ヤード・パー72>

 最終日は悪天候が予想されていたため、異例の早朝スタートとなった。首位で並んだ岩井千怜、山下美夢有、佐久間朱莉の最終組は午前7時20分に出たが、最後まで雨と強風との闘いとなった。

 岩井は2番パー3でバーディーを奪い単独首位に立つと、ここから4番、5番で連続バーディー。9番パー4でもスコアを伸ばした。

2位以下に3打差をつけ、自身初となる「連覇」を達成した岩井千怜 写真:Getty Images

2位以下に3打差をつけ、自身初となる「連覇」を達成した岩井千怜 写真:Getty Images

「夢中になってやっていたので、雨や風が自分のプレーに影響はしなかった」と岩井。後半の11番パー5でボギーを叩いたが、13番パー4でバーディーを奪取。

 最終18番パー5は、ピンまで49ヤードの3打目を58度で90センチにつけると勝利を確信。ウィニングパットを沈めると通算12アンダーで大会コース記録も更新した。

 この日は母が観戦に訪れており、“母の日”に連覇を達成し、「母がいると落ち着くし、試合の応援に来てくれるとうれしい気持ちになる。落ち着くような存在ですね」と改めて感謝の気持ちを語っていた。

 今季は開幕戦のダイキンオーキッドレディスに続く2勝目となったが、さらなる成長を感じさせる大会でもあった。

「去年より状況判断がうまくできるようになりました。寄る気がしないライだったら、違う番手を選ぶようになったことです。普段なら58度で打っていても『少しイメージ違うな』と思ったら54度に持ち代えたりして、状況判断がうまくマッチしていると感じます」。

 元々、高い状況判断能力と集中力を持っている選手ではあるが、さらに磨きがかかったということ。試合を重ねるたびに成長を続ける岩井だが、今大会の優勝でメルセデス・ランキング1位に立った。

「まだまだこれからだと思います。絶対に死守したいというのもないですし、1試合1試合自分のしたいゴルフをして結果1位であればいいと思います」と慢心することはない。

 それにまだ、岩井にとって優勝も成長過程の一つにすぎないのだろう。「これからも果敢に2 オンを狙っていく姿勢だったり、バーディーとって笑顔の姿を届けたいという想いがあるので、元気ハツラツとしたプレーをしていきたい」

 すでに今年の米ツアーの予選会へのエントリーには前向きのようで、さらなる成長に期待がかかる。

岩井 千怜(いわい・ちさと)

2002年7月5日生まれ、埼玉県出身。双子の姉・明愛(あきえ)とともに、高校ゴルフの名門・埼玉栄高のダブルエースとして活躍。同校を8年ぶりの全国高等学校ゴルフ選手権・団体戦優勝に導くなどした。21年にプロテスト合格。22年は「NEC軽井沢72ゴルフ」で初優勝、翌週の「CAT Ladies」で2週連続優勝を達成。24年は開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」、「RKB×三井松島レディス」で勝利を挙げた。Honda所属。

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