あなたは難問解ける? 知ってたらちょっと自慢できるゴルフルールクイズ

ゴルフ規則を熟知している人にとっては簡単ですが、普段はルールをあまり徹底していないゴルファーにはちょっと難しいと思われるルールクイズを出題します。

ゴルフルールクイズ出題編

 ゴルフ規則を熟知している人にとっては簡単ですが、普段はルールをあまり徹底していないゴルファーにはちょっと難しいと思われるルールクイズを出題します。さて、いったいいくつ正解できるでしょうか? 問題で挙げた状況が無罰、1罰打、2罰打のどれに該当するのか、考えてみてください。

たまにルールトラブルで注目されるローリー・マキロイ 写真:Getty Images

たまにルールトラブルで注目されるローリー・マキロイ 写真:Getty Images

【Q.1】グリーンに乗ったボールを拾い上げようと、ボールの直後にボールマーカーを置いた直後、強い風が吹き抜け、ボールが10センチほど転がった。そのボールを拾い上げ、ボールマーカーの位置にリプレースした。

【Q.2】ティーショットを引っかけ、ボールは50ヤードほど先の林の中へ。そのあたりを1分間ほど捜索したところで、紛失球の可能性があるからと、ティーイングエリアに戻って「暫定球」をプレーした。

【Q.3】ボールはペナルティーエリア内にあったが、前夜の雨でできた水たまりの中に止まっていたので、「一時的な水」からの救済のドロップを行った。

【Q.4】フェアウェイに止まったボールにアドレスすると、スタンスがディボット跡にかかった。前方にそれらしきディボット(切れ芝)があったので、ディボット跡に戻し、その上にスタンスした。

【Q.5】ドロップゾーンにドロップをしようとしたが、あたりに小石が落ちていたので、ドロップ前に取り除いた。

【Q.6】地中深くに打ち込んであり、簡単に抜けない「ヤード杭」がプレーの線上にあったので、それを避ける位置にドロップし、ストロークを行った。

【Q.7】バンカーのすぐ先の斜面に救済のドロップ。ボールは一旦止まっていたが、プレーの方向を定めている間に、自然の力で動き出してバンカーの中へ。プレーヤーは、元の位置にリプレースした。

【Q.8】グリーン上からのパットが強すぎて、ボールはたまたまカップの先に置いてあったピン(旗竿)に当たって止まった。プレーヤーは無罰で、その位置から次のパットを行った。

【Q.9】ボールは「一時的な水」の中に止まっていた。そのボールにアドレスすると、スタンスがカート道路の上になった。「一時的な水」からの救済エリアはカート道路上になり、カート道路からの救済エリアは「一時的な水」の中になりそうなので、両方の障害が避けられるニヤレストポイントを見つけ、そこを基点に救済エリアを決めた。

ゴルフルールクイズ解答編

 ここからは解答編。あなたは難問正解できましたか?

マークの仕方一つ取っても注意が必要 写真:AC

マークの仕方一つ取っても注意が必要 写真:AC

【A.1】1罰打(拾い上げた地点にリプレースしなければ2罰打)
 ゴルフ規則書の「定義」の「インプレー」の項で、インプレーの球の箇所をマークするためにボールマーカーを置いても「球が拾い上げられていなかった場合、その球はまだインプレーである」と定義されている。つまり、ボールマーカーを置いただけでは、その球はまだインプレーということ。そのため、このケースは転がった先で止まったインプレーの球を、マークをせずに拾い上げたことになり、規則9.4b違反で1罰打。さらに、拾い上げた地点にリプレースしなければ「誤所からのプレー」で、2罰打となる。
 
【A.2】無罰
 R&AとUSGA(全米ゴルフ協会)が発行する「ゴルフ規則のオフィシャルガイド」の「規則18.3a/2 捜索を始めた後でも暫定球をプレーすることが認められる」で、このケースのように球の捜索後でも、3分以内であれば暫定球のプレーは認められ、3分以内で初球が見つかれば、その初球をプレーしなければならないと解説されている。

【A.3】2罰打
 ジェネラルエリアやバンカー内、グリーン上で「一時的な水」がプレーの障害になる場合は、規則16.1「異常なコース状態」からの救済を受けられる。しかし、ペナルティーエリアでは、規則17.3「ペナルティーエリアの球に対して他の規則に基づく救済はない」により、「異常なコース状態による障害(規則16.1)」のほか、「地面にくい込んでいる球(規則16.3)」「アンプレヤブルの球(規則19)」の救済は受けられないと定められている。

【A.4】2罰打
 規則8.1a「認められていない行動」で、ストロークに影響を及ぼす状態が改善されてしまう場合には次の行動をとってはならないとして、「ディボットをディボット跡に戻す」ことで地面の状態を変えてはならないと規定されている。

【A.5】無罰
「ゴルフ規則のオフィシャルガイド」の規則15.1a/1 「救済エリアから、あるいは球をドロップ、プレース、リプレースする箇所からルースインペディメントを取り除くこと」の項に「球をドロップしたり、プレースする場合、ルースインペディメントを取り除くことは認められる」とある。しかし、リプレースの場合は、その球が止まっていたあたりのルースインペディメントを取り除くことはできない。

【A.6】2罰打
 この場合の「ヤード杭」は「動かせない障害物」に当たる。その「動かせない障害物」による障害からの救済を定めた規則16.1「異常なコース状態(動かせない障害物を含む)」に「球がパッティンググリーン上にある場合に限り、そのパッティンググリーンやパッティンググリーン以外の場所にある異常なコース状態がプレーの線に介在する」ときは障害が生じたと認められるが、グリーン外では救済を受けることはできないと規定されている。

【A.7】無罰
 規則9.3「自然の力が動かした球」の例外2に「ドロップ、プレース、リプレースした後に止まっている球がコースの他のエリアに移動したり、アウトオブバウンズに移動した場合、その球をリプレースしなければならない」と規定されている。反対にリプレースをしなかった場合は、「誤所からプレー」となり、2罰打が課せられる。

【A.8】無罰
 規則11.1b(2)で「パッティンググリーンからプレーされて動いているプレーヤーの球が偶然にそのプレーヤーまたは外的影響に当たった場合、その球は通常はあるがままにプレーしなければならない」とある。ホールから取り除かれた旗竿は外的影響に当たるので、球が偶然当たっても無罰。その球は「あるがまま」となる。

【A.9】2罰打
「異常なコース状態(動かせない障害物を含む)」からの救済についての「ゴルフ規則のオフィシャルガイド」の規則16.1/3「2つの状態による障害が存在する場合、プレーヤーはどちらの状態から救済を受けるか選ぶことができる」に「プレーヤーに同時に2つの状態の障害がある状況では、どちらの状態から救済を受けるか選ぶことができる」として、こうした障害からの救済は一つずつ処置出来るが、「1回の処置で、同時に2つの状態からの救済を受けることはできない」と記されている。

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