グリーンはゴルフ場の“顔”です! 最低限知っておくべき「グリーンをキズつけない」マナーとは?

ゴルフ場が一番嫌がるマナー違反は「グリーンにキズがつく行為」だといいます。そこで、改めて「グリーンにキズがついてしまうマナー違反」について考えてみました。

ゴルフ場が最も嫌がるマナー違反は「グリーンへのキズ」

 しゃぶしゃぶ食べ放題のお店に家族4人で行ったときのことです。しゃぶしゃぶ鍋にお肉を入れようと箸でつかんだところ、7歳の娘が「私が入れたい!」と自分の箸でお肉を奪い取ろうとしました。

 思わず「あっ!」と声が出てしまい、娘の動きを制し「お箸とお箸で食べ物を受け渡すのは、やってはいけないことなんだよ」と伝えました。

 その理由も説明したのですが、娘はお葬式という行事にまだ参加したことがないのでピンと来ていない様子でした。ただ、「箸渡し」がマナー違反ということは伝わったようです。

ピッチマークはもちろん、スパイクやサブバッグなど「グリーンをキズつける要因」は様々ある 写真:AC

ピッチマークはもちろん、スパイクやサブバッグなど「グリーンをキズつける要因」は様々ある 写真:AC

「箸渡し」が食事の席でのマナー違反になるのは、お葬式の際に故人の遺骨を箸で拾い、箸で渡しながら骨壺に納める慣習があるからです。死や葬儀に関することを日常生活に持ち込まないようにするために、食事の席ではやらないのがマナーになっています。

 ゴルフの記事なのに、なぜそのような話を持ち出したのかというと、この1~2年の間にゴルフ場で思わず「あっ!」と声が出そうになるマナー違反を見かけることが増えたからです。

 ゴルフ場のマナー違反でゴルファーが思い浮かべる行為は人それぞれでしょうが、筆者が重大なマナー違反と感じるのはグリーンの取り扱いに関することです。

 グリーンはボールを転がすエリアですから、ボールの転がりがスムーズになるように細心の注意を払って管理しています。

 ゴルフ場関係者に話を聞くと、最も憤りを感じるマナー違反がグリーンの表面にキズをつけられることだそうです。ゴルフ場を人間の体にたとえると、グリーンはいわば顔のような存在です。顔にキズをつけられたら誰だって怒ります。

 サブバッグの使用を禁止しているゴルフ場が増えているのも、スタンド式サブバッグをグリーン上に持ち込み、スタンドの脚でグリーンの表面にキズがつくケースが続出しているからです。

 ですから同伴者がグリーン上で走ったり、アプローチで使ったクラブを持ち込んだり、サブバッグをグリーン上に持ち込んだりしたときは、たとえ初対面の人でも「やめたほうがいいですよ」と指摘します。

次のホールへ向かうときサブグリーン上を歩くのもマナー違反

 グリーンの表面にキズをつけてはいけないことは多くのゴルファーが認識していると思いますが、筆者が最近気になっているのはサブグリーンの取り扱いです。

 グリーン上のプレーを終えて次のホールへ向かう際、サブグリーンの上を平気で歩く人をけっこうな頻度で見かけるのです。

 そのシーンを見かけた瞬間、思わず「えっ!?」と声が出そうになりますが、おそらく本人は何の悪気もなく、そのルートが一番近いから歩いているようです。

 しかし、前述のとおりグリーンはゴルフ場の中で最もデリケートなエリアですから、表面にキズがつく可能性がある行為は極力避けるべきです。

 その日に使用していないグリーンであっても、ボールが乗ってしまって拾いに行くとき以外は歩かないのが原則です。

 ひと昔前であればサブグリーンの上を歩いて移動したら、先輩から「おまえ、なんでサブグリーンの上を歩くんだよ。外側を回れよ」と一喝されるところです。

 ゴルフは細かいマナーが多くて覚えるのが大変ですし、すべてのマナーを最初から完璧に覚えるのはムリです。

 ただし、グリーンの取り扱いに関することはゴルフ場でプレーするなら必ず知っておいてほしいマナーですし、知らないと同伴者を不快な思いにさせることもあります。

 そのマナーを教えるのは誰の役目なのか突き詰めていくと、ゴルフ場の使い方を利用者に教えるのはゴルフ場なのではないかと感じます。

 独学でゴルフを始めたゴルファーがゴルフ場でのマナーを速やかに覚えることができる仕組み作りが必要な時期に差しかかっていると感じます。

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