ツルさん・ルイゴルフさんの新作ギア選び 「G430シリーズ」編 HS46m/sなのにアベレージゴルファー向け「G430 SFT」がベストの理由は?

インフルエンサーとして若い世代のゴルファーから大人気のルイゴルフさんが、最新クラブから自分に合ったモデルを探す連載企画。サポートしてくれるのはギアに精通したゴルフライターとしてさまざまなゴルフメディアで活躍する鶴原弘高さんです。連載第2弾となる今回は、話題の10Kドライバー ピン「G430 MAX 10K」を含めた「G430シリーズ」から理想のドライバーを選んでみました。

慣性モーメントが大台を突破した「G430 MAX 10K」を試打

 インフルエンサーとして若い世代のゴルファーから大人気のルイゴルフさんが、最新クラブから自分に合ったモデルを探す連載企画第2弾をお届けします。サポートしてくれるのはギアに精通したゴルフライターとしてさまざまなゴルフメディアで活躍する、ツルさんこと鶴原弘高さん。今回は、話題の10Kドライバー ピン「G430 MAX 10K」を含めた「G430シリーズ」から理想のドライバーを選んでみました。

慣性モーメントが1万(10K)の大台を突破した「G430 MAX 10K」

慣性モーメントが1万(10K)の大台を突破した「G430 MAX 10K」

【ルイゴルフさん】※以下【ル】
 さっそくですが、最近よく言われている「10K」ってどういう意味ですか?

【鶴原さん】※以下【ツ】
「10K」は慣性モーメント(MOI)が1万g・cm2を超えているという意味です。ピンのドライバーはもともと慣性モーメントが大きかったのですが、2024年2月に発売した「G430 MAX 10K」でついに1万(10K)の大台を突破しました。

【ル】じゃ、このドライバーはすごいんですね。

【ツ】慣性モーメントが高いドライバーは、打点がブレてもヘッドが回転しづらいため方向性のブレが少なく、かつ飛距離が落ちないという利点があります。まずはこの「10K」を打ってみましょう!

 早速、「G430 MAX 10K」を試打するルイゴルフさん。いい当たりを連発しているわりに浮かない表情です。

【ル】ううーん…正直、打った感覚はしっくりきませんでした。でも、(弾道測定の)結果は良かったですね。

【ツ】ボールスピードが67メートル/秒、スピン量も2200回転前後なので数字は悪くありません。

【ル】トゥ側に当たって絶対ヒッカケたなと思ったボールが、少しドローするくらいでした。

【ツ】慣性モーメントが大きいのでミスヒットしたときもフェースが開閉しにくい。それが曲がりにくさにつながっていると思います。

【ル】構えた瞬間にヘッドサイズが大きいので「簡単そう」と思いましたが、意外と打球が上がりすぎずにちょうどイイ中弾道でした。

【ツ】今回試打した「G430 MAX 10K」が画期的なのは、慣性モーメントが大きいだけでなくて、スピン量が抑えられていることです。スタンダードモデルの「G430 MAX」よりも低スピンになっています。

【ル】たしかに結果は悪くなかったけど、自分のフィーリングを出せない感じが気になりました。

【ツ】「10K」はすごい性能ですが、全員にマッチするわけではないので、とりあえず保留にして次はスタンダードモデルの「G430 MAX」を打ってみましょう。

スタンダードモデルの「G430 MAX」とアスリートモデルの「G430 LST」を試打

「G430 MAX 10K」を打った感覚がしっくりこなかったルイゴルフさんは、スタンダードモデルの「G430 MAX」を試してみました。

「G430シリーズ」を試打するルイゴルフさん

「G430シリーズ」を試打するルイゴルフさん

【ル】これはどういうドライバーですか?

【ツ】ひと言でいえば2023年のNo.1ドライバーです。すごく売れていますし、専門家の評価も高いです。

【ル】たしかにやさしい。でも、「G430 MAX 10K」より飛距離が落ちましたね。

【ツ】スピン量が2800〜3000回転近くになってしまったので、飛距離をロスしていました。

【ル】それと、「G430 MAX 10K」のときも感じましたが、フェースローテーションする感覚が出しにくい。

【ツ】なるほど。そのタイプはピンのドライバーと相性が良くないかも。ピンのドライバーは慣性モーメントが高いのが特徴ですが、車で例えるなら大型トラックみたいな感じでフェースが開閉しにくくなっています。小回りが効くスポーツカータイプではありません。

【ル】私に合うモデルはないですかね?

【ツ】ツアーモデルの「G430 LST」を打ってみましょうか。「G430 LST」はツアープロが使っているアスリートモデル。ヘッドサイズも440ccと小ぶりです。

 続いて、ルイゴルフさんはツアーモデルの「G430 LST」を打ってみるようです。

【ル】「G430 MAX 10K」「G430 MAX」と比較すると、格段に振りやすいし、顔もいいですね。1球目から持ち球である右に打ち出して、軽くドローする球筋になりました。

【ツ】良い感じですね。でも、「G430 MAX 10K」「G430 MAX」と比べると打球が少し低くなってしまったので、ロフト9度ならプラス1度で調整するのが良いと思います。最後に「G430 SFT」を打ってみましょう。

アベレージゴルファー向けの「G430 SFT」を試すと理想的なドローボールが!

 最後に、アベレージゴルファー向けのドライバー「G430 SFT」を試してみます。

「G430シリーズ」試打と分析の様子

「G430シリーズ」試打と分析の様子

【ルイゴルフさん】※以下【ル】
 うんっ!? これ、めちゃくちゃイイですね! 球筋も理想的なドローボールが打てました。

【鶴原さん】※以下【ツ】
 ちょっと意外な結果ですが、(G430 SFTで打った)1球目から3球連続でナイスショットでしたね。

【ル】これはどういうドライバーですか?

【ツ】「G430 SFT」は、スライサー向けのドロー重心設計になっています。「G430 LST」とは真逆でアベレージゴルファー向けのドライバーです。

【ル】個人的には今日打った4モデルの中で一番良かったです。

【ツ】実はそういうハマり方をする場合もあります。「G430 SFT」は重心をヒール側にしているので、ルイゴルフさんのようにフェースローテーションしたいドローヒッターには操作性が良いと感じるケースがあります。

【ル】純正シャフト(ALTA J CB BLACK)は少し軽かったですが、「PING TOUR 2.0 CHROME」にしたらちょうどイイ感じ。270ヤード飛びました。

【ツ】これがフィッティングの面白いところで、ヘッドスピード45メートル/秒以上のゴルファーだと「G430 SFT」は見向きもしませんし、試打もしない人が多いでしょう。でも、ピンは創業当時からフィッティングを重視している会社なので、ヘッドも複数のタイプをラインアップしていますし、シャフトのバリエーションも豊富。アスリートゴルファーでも「G430 SFT」という選択肢はアリなんです。

フィッティングをして先入観なしにヘッドを選ぶことが大切

 さて、4モデルのドライバーを試打したルイゴルフさんは、「G430シリーズ」にどのような感想を持ったのでしょうか。

今回試したピンのドライバー「G430シリーズ」。左から「G430 MAX 10K」、「G430 SFT」、「G430 LST」、「G430 MAX」

【ル】どのヘッドもミスヒットにすごく強くて、打球が曲がりにくいという印象でした。打感もとても良かったです。

 その中でも「G430 LST」と「G430 SFT」が良くて迷いましたが、自分がイメージした通りの弾道が打てたのは「G430 SFT」です。ウエート調整も試しましたが、「DRAW」がちょうど良かったです。「PING TOUR 2.0 CHROME」のシャフトも打球の高さを抑えつつ、強いボールが打てるところがマッチしました。思っていたほどハードなシャフトではありません。

【ツ】ヘッドスピードの速いアスリートゴルファーだと「G430 LST」のヘッドに決めつけてしまう人もいるでしょうが、今回のルイゴルフさんのようにヘッドスピード46、47メートル/秒で270ヤード飛ばすゴルファーでも「G430 SFT」が一番ハマるケースもあります。

 フィッティングではシャフトやグリップだけでなく、先入観なしにヘッドを選ぶことも大切です。「PING TOUR 2.0 CHROME」のシャフトは私も持っていますが、今までカスタムシャフトしか使っていないパワーヒッターにもマッチすると思います。

鶴原弘高 (つるはら・ひろたか)

大阪府出身。ゴルフ専門の編集者兼ライター。仕事のジャンルは、新製品の試打レポート、ゴルフコース紹介、トレンド情報発信など幅広く、なかでもゴルフクラブ関連の取材が多い。現在はゴルフ動画の出演者としても活躍中。ギア好きゴルファーの会員制コミュニティーサイト「3up CLUB」では、配信される動画のキャスター兼編集長を務めている。

ルイゴルフ(大塚塁/おおつか・るい)

愛知県出身。レッスン動画で若年層ゴルファーの支持を得る動画クリエイター。168のスコアからたった50日で100切りを達成したノウハウを伝えるインスタグラムのフォロワーは約6.5万人。現在は20代ゴルフコンペの企画運営などを行っている。

【取材協力】フライトスコープジャパン

「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボール

「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボール

今回の取材はフライトスコープジャパン本社内のパフォーマンススタジオをお借りし、「FlightScope MEVO Range」と「Pro V1 RCT」ボールを用いて計測を行いました。

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