「風任せ」が好結果につながる!? 強風ラウンドでの大崩れを防ぐ「当たり前だけど大事」なこととは?
木枯らしが吹く強風時のラウンドでは、対策や注意点をついつい忘れがちです。風の読みや番手選びなど「当たり前」にやっていることの他にも、「意外な注意点」があるのか? 強風ラウンドで実践できることを筒康博(つつ・やすひろ)コーチに聞きました。
スコアメイクが難しい強風時のラウンドでは「時計」を使う
真夏に比べ、秋から冬にかけては強風時のラウンド機会が多くなります。基本的に風が強くなるほどスコアメイクは難しくなります。
ちなみにゴルフでは「時計」を使うことが多いのですが、風の日のラウンドでは自分がいる手前側を6時に、目標がある奥を12時に見立て風向きを考えるのが一般的です。
風向きを調べる方法は、落ちている枯芝を放って飛ぶ方向を見たり、木々の動きや雲の流れを見て総合的に判断します。
例えば「10時方向から吹いている」と判断すれば、向かい風によって飛距離が落ちボールが右に流されることが想像できると思います。
コースでは真っすぐの向かい風や追い風も真横に吹く横風も多くはありません。「時計」をイメージしながら、飛距離と曲がりにどれぐらい影響があるのかを想像しながら、目標と番手選びをすることでミスを最小限に止めるマネジメントが必要になります。
慣れない強風時ほど慌てないルーティンとスイングを
風には逆らわず、風上から風下にボールが流されるもの、と考えて向き合うのがセオリーです。
向かい風なら大きめの番手を持ち、横風なら風上に方向を取って「自然の力」でボールが曲がる計算を立ててプレーしましょう。
普段の持ち球がドローでも強い「9時からの風」ならスライスボールになります。自分のプレーをゴルフゲームのように考えれば当たり前のことですが、つい逆らおうとしてしまうのがゴルファーの性。空中に矢印があるような「ゲーム感覚」を持つと無理やり真っすぐ打とうとは考えなくなるでしょう。
また無意識に「早く打ち終えたい気持ち」が出てしまう影響で、全ての動作が早くなる傾向があります。素振りの時点からテンポが速くならないように「普通」を心がけてください。
グリーンに近づくほど風に対する「過剰反応」に注意
風の日だからといって、突然「風に負けない低いショット」など、普段練習したこともない打ち方を試そうとしないことも大事です。冷えた体で練習でもできないような難しいことをしようとするより、「風のぶんだけ結果が変わる」という計算に集中した方が大きなミスを軽減できると思います。
また、グリーン周りでは風が強くなるほど乾燥が強くなりますが、一般営業のグリーンではスピードが大きく変わるほど硬くなることはありません。
風が強くなるほどインパクトを強くしてしまうアマチュアの傾向を考えると、あえて強い風を意識しないことが重要です。
ショットやパッティングに臨む前に風を計算したら、頭の中から風の存在をいったん消して「無風時のスイング」を心がけてください。
グリーン周りでも厳密には風の影響はありますが、打つ前に行った計算マネジメントを信じて「あとは風まかせ」ぐらいの気持ちで臨んだ方がいいでしょう。
低く打ち出そうとして逆に弾道が高くなってしまったり、横風に負けないスイングを意識し過ぎて逆方向にミスショットしてしまう「過剰反応」によるミスは、風に流された時よりも大きなトラブルになることが多いので注意してください。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。
11/21 14:10
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