開幕戦5位の畑岡奈紗 “会心の1打”直後に取った行動に見る“進歩する人・しない人”の違いとは?

多くのツアープロのコーチとして活躍している石井忍氏が、“ここはスゴイ”と思った選手やプレーを独自の視点で分析します。今回注目したのは、米国女子ツアーの2023年開幕戦「ヒルトングランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ」で5位に入った畑岡奈紗です。

スイング改造中の畑岡奈紗は“良い方向”に

 1月19~22日、米国女子ツアー2023年シーズンの開幕戦「ヒルトングランドバケーションズ トーナメント・オブ・チャンピオンズ」が行われました。

 この大会の出場資格は、過去2シーズンの優勝者。日本勢は昨年の「DIOインプラントLAオープン」で米ツアー通算6勝目を挙げた畑岡奈紗選手、同じく昨年の「トラストゴルフ・スコティッシュ女子オープン」でツアー初勝利を飾った古江彩佳選手、そして21年の「全米女子オープン」で優勝した笹生優花選手の3人が出場しました。

スイング改造がズバリ当たっているという畑岡奈紗(写真は最終日) 写真:Getty Images

スイング改造がズバリ当たっているという畑岡奈紗(写真は最終日) 写真:Getty Images

 1月にヒルトングランドバケーションズのアンバサダーに就任した畑岡選手は、ホステスプロとして今大会に臨みました。その期待に応えるように、初日「71」、2日目「68」、3日目「66」で、トップと3打差の通算11アンダー・2位で最終日を迎えます。最終日は、1バーディ、3ボギーの74。惜しくもツアー7勝目を挙げることはできませんでしたが、通算9アンダーの5位でシーズン7年目の開幕戦を終えました。

 そんな畑岡選手は現在、スイング改造中です。これまでは、ダウンスイングで地面をしっかり蹴り上げてヘッドを加速させていましたが、踏み込みを抑え、前傾を深くしながら球を押せるスイングに修正しています。開幕戦で優勝争いをしたという事実を見ても、今の取り組みが良い方向にいっていると考えていいでしょう。

 印象的だったのが、3日目の12番ホール(パー4、383ヤード)の2打目。右サイドに切られたピンの左にパーオンさせたアイアンショットです。「踏み込みを抑えた切り返し」「手元がリードした球を押し込むインパクト」「シャフトが立って抜けていく“もう一押し”のあるフォロー」「ラインの出た球筋」と、畑岡選手が目指すモノが具現化したような1打でした。私の中では、この4日間の畑岡選手のベストショットです。

「何が良かったのか」こそ“悩む”ことが大切

「シャフトが立って抜け“もう一押し”がある」と、石井コーチが絶賛する畑岡奈紗のフォロー(写真は最終日) 写真:Getty Images

「シャフトが立って抜け“もう一押し”がある」と、石井コーチが絶賛する畑岡奈紗のフォロー(写真は最終日) 写真:Getty Images

 実際、本人としてもフィーリングが良かったようで、このショット後にシャドースイングをしていたんです。

 ミスショットの後に、「何が悪かったんだろう?」と反省しながら素振りをする人は多いですよね。しかし、良いショットを打った後こそ、「何が良かったんだろう?」と“悩む”ことが大切です。その1打をまぐれで終わらせないために、良い感覚で振れた後は、畑岡選手のようにフィーリングを確認しておくといいでしょう。

畑岡 奈紗(はたおか・なさ)

1999年生まれ、茨城県出身。2016年の「日本女子オープン」で国内メジャー史上初のアマチュア優勝達成。その後、プロ転向して翌17年から米ツアーに参戦。同ツアーでは18年に初勝利を挙げ、昨シーズンは「DIOインプラントLAオープン」で米ツアー通算6勝目。日本ツアーでも、19年に「日本女子プロゴルフ選手権」、「日本女子オープン」を制するなど、ツアー通算5勝を挙げている。

【解説】石井 忍(いしい・しのぶ)

1974年生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年プロ転向。その後、コーチとして手腕を発揮し、多くの男女ツアープロを指導。「エースゴルフクラブ」を主宰し、アマチュアにもレッスンを行う。

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