終わらぬ論争“レブロンorジョーダン”…現役選手のGOAT投票は逆転目前か

 GOAT論争は、バスケットボールで最も答えと終わりのない話題である。リングや個人賞の数、スタッツなど判断基準は様々だが、この議論には誰しもが自身の意見を持っているはずだ。

 現地メディア『The Athletic』の選手投票企画には、毎年100名超が匿名で参加し、シーズンMVPや最も過小評価されている選手に対して、それぞれが一票を投じている。今年は3月5日から4月11日までの期間中に142名にインタビューを敢行した模様。これはリーグに所属する選手の約3分の1にあたり、ここにはスタープレーヤーからロールプレーヤーまで多種多様な選手が含まれており、全30チームから参加しているという。(※なお、142名が全てのアンケートに投票したわけではない)

 もちろん、GOATへの投票は本年も実施。その二大巨頭はもちろん、マイケル・ジョーダンレブロン・ジェームズであることに変わりはないが、2人の評価の差は確実に縮まっている。

 今年はMJに45.9パーセント、キングに42.1パーセントの全体票が集まり、その差はわずか3.8パーセントとなった。『The Athletic』のデータでは2019年は73.0パーセント対11.9パーセント、昨年は58.3パーセント対33.0パーセントとなっており、近年の傾向が続けば、来年にはレブロンがジョーダンを上回っても不思議ではない。

 同誌は直近14カ月で成し遂げたレブロンの偉業の数々が、今回の結果に直結していると考えている。2023年2月7日に永久不滅と思われていたカリーム・アブドゥル・ジャバーが保持していた歴代最多得点記録を塗り替え、その3カ月後にはロサンゼルス・レイカーズをウェスタン・カンファレンスのファイナルへと導いた。神話はここで終わらない。今シーズンより開幕したNBAカップ(インシーズン・トーナメント)では、決勝でインディアナ・ペイサーズを破り、大会初優勝を成し遂げるのみならず、MVPを受賞。その後、節目となる20回目のオールスターゲーム出場を果たし、レギュラーシーズンを25.7得点7.3リバウンド8.3アシストでフィニッシュ。今シーズン、これに匹敵するスタッツを残したのは、ニコラ・ヨキッチルカ・ドンチッチ、ただ2人だけである。今年12月に40歳の誕生日を迎えるプレーヤーとしては異例中の異例の成績であり、バスケットボールの神様よりも偉大とされる瞬間が訪れても不思議に思うことはない。

 ジョーダン、レブロンに次ぐGOAT論争の第3位に選出されたのは、ブラックマンバこと故コービー・ブライアントだった。デビン・ブッカーヤニス・アデトクンボなど、現役トッププレーヤーたちが師と仰ぐレイカーズのレジェンドは、今年の投票で9.8パーセントの票を獲得しており、現役選手たちからの支持は厚い。

 以降には、ステフィン・カリーマジック・ジョンソン、そして意外にもポール・ピアースがランクイン。

 果たして、来年はレブロンがジョーダンを上回るのか、そして将来的にこのリストに食い込んでくるプレーヤーは現れるのだろうか。

文=Meiji

【動画】NBA21年目のレブロン…その活躍をデビューイヤーから振り返る特別映像

ジャンルで探す