オークスのトレンドは「2週連続馬なり」。調教ハンター・天童なこが気になる4頭は?

競馬タレントとして長く活動し、"調教"を軸に予想するスタイルで「調教ハンター」の異名を持つ天童なこさん。競馬予想に関する書籍『天童なこの調教ハンター論 てんなこってどんなこ!!』(ベストセラーズ)も出版したことのある天童さんに、3歳牝馬クラシックのGIオークス(5月22日/東京・芝2400m)について展望してもらった。


競馬タレントとして活躍する天童なこさん

中学生から"こっそり"競馬好き

天童なこ 競馬を好きになったきっかけは、兄が騎手を目指したこと。私が中学1年生の時でした。ちょうどディープインパクトが3冠を達成した年で、それからどっぷりハマりましたね。

 といっても、周りに競馬好きの友達はいませんし、私も秘密にしていて。学校の朝読書の時間には、周りにバレないように、こっそり競馬の本を見たりしていましたね(笑)。

 今では調教視点でレースを予想しているのですが、このスタイルを始めたのは20歳になってから。すでに芸能界で活動していたので、20歳を機に競馬タレントになろうと決めて。その時に「ただ競馬が好きな若い女子」には見られたくなくて、何かひとつでも自分が深く語れる分野を作ろうと思ったんです。

 その対象が血統でも馬体でもよかったんですが、いろいろやってみて、馬券との相性が一番よかったのが調教でした。もともと調教を細かく見ていたこともありましたし。

 今もYouTubeチャンネルで予想を公開するレースでは、出走馬全頭の調教タイムや動きの評価を載せています。よく、「全頭の調教をチェックするのは大変では?」と言われるんですが、趣味の延長線上ですし、逆に平日お仕事で調教を細かく見られない方が、簡単にチェックできる動画になればなと。

 余談ですが、私は今、淡路島に住んでいて。居酒屋に行くと顔見知りのおじさんが多くて、「今回のあの馬の調教はどう?」なんて話を一緒にしたり(笑)。いつも競馬談義をしています。

 もちろん、調教を見るうえで大切にしているポイントもあります。それは「タテの比較」です。

 調教を見る時、どうしても出走馬同士で比べる「ヨコの比較」をしがちですが、大切なのは、その馬が過去にどんな調教で、それがどう結果に結びついてきたか、その馬自身の過去と比べる「タテの比較」。たとえメンバーのなかでは調教タイムが遅くても、その馬にとっては過去の好走時と同じ"いい動き"の場合もありますから。

オークスの調教トレンドから見る有力馬

 さて、今週はGⅠオークス(5月22日/東京・芝2400m)が行なわれます。このレースにも調教で見るべきポイントがあります。というのも、過去の好走馬の多くは、1週前追い切りを強めに、レース当週の最終追い切りは軽めの馬なりなんですね。

 ただし最近は、1週前追い切りも軽く、最終追い切りも軽い、2週連続で軽い調教の馬がよく絡んでいます。おそらく馬場が軽くなっていることも関係していると思うのですが、トレンドに変化が見られるんですね。ここをチェックしたいと思います。

 ちなみに、翌週のGⅠ日本ダービーは同じ競馬場・距離で行なわれますが、調教傾向は異なっています。オークスと違い、2週連続で強い追い切りの馬が好成績なんですね。牡馬と牝馬でこういった違いがあるのも面白いですね。

 これらを踏まえてオークスの注目馬を挙げたいのですが、まず予想とは別に、どうしてもふれたい馬がいます。

 アートハウス(牝3歳)です。なぜかといえば、この馬に騎乗する川田将雅騎手の「思惑」です。川田騎手は、GⅠ桜花賞(阪神・芝1600m)をスターズオンアース(牝3歳)で勝ちながら、今回はアートハウスを選びました。しかも、スターズオンアースは、血統的にもこれまでの戦績を見ても、オークスで大きなマイナス材料があるとは思えない。

 それでも川田騎手がアートハウスを選んだのであれば、それだけ能力を見込んでいるのかなと。1週前調教も最後の2ハロンを11秒6、10秒9というものすごい加速ラップでまとめていますし、やはり潜在能力は高そうです。

 ただ先ほど話したように、最近のオークスの調教トレンドは「2週連続軽め」です。だとすると、この1週前追い切りの加速ラップは"やりすぎ"かな、と。本命には置きづらいというのが、今の考えです。


インタビューでの天童さんと、愛犬の麦

 それを踏まえて注目している馬は、サークルオブライフ(牝3歳)ですね。桜花賞は18頭立ての16番枠となり、外々を回る苦しい展開。それでも上がり33秒3はメンバー最速で、勝ち馬とコンマ1秒差の4着にまで差を詰めています。1番人気のナミュールを意識しすぎて脚を余したようにも見えます。

 また、この馬自身はエンジンのかかりが遅く、長く末脚を使うタイプ。国枝栄調教師も「オークス向き」と以前から言っていますし、いいのではないかなと。

 調教についても、1週前は美浦トレセンの南ウッドで馬なりの追い切り。それでいて5ハロン64秒0は自己ベストという好調ぶりです。最終追い切りも終いは少し伸ばしたものの馬なりの形。いい調教の過程だと思います。

 もう1頭、穴っぽいところで注目しているのがスタニングローズ(牝3歳)です。この馬は「バラ一族」の1頭。バラにちなんだ馬名が多い血統で、私が応援している一族です。

 バラ一族は活躍馬が多いものの、クラシックにはなかなか縁がなく、スタニングローズの祖母ローズバドも2001年のオークスで2着と涙をのみました。そのおばあちゃんのリベンジになればよいですね。

 調教も、1週前追い、最終追いと、坂路で馬なりの内容。動きもタイムもいいですね。私のブログでは、調教から見た新馬戦のおすすめ馬を載せていますが、この馬のデビュー時も注目していて、実際に勝ってくれました。

 それからずっと追いかけていますが、タテの比較でもいまは好調ぶりがうかがえます。面白いかなと思いますね。

 それ以外では、やはり桜花賞馬のスターズオンアースも侮れません。今回、川田騎手に代わりクリストフ・ルメール騎手が騎乗しますが、ルメール騎手は、この馬の祖母スタセリタでフランスのオークスを勝ち、また、伯母のソウルスターリングでも日本のオークスを制しています。ルメール騎手ゆかりの一族と言えるだけに、血統のドラマにも期待したいですね。

 今回のオークスで注目している馬はこれらになります。YouTubeでも調教視点の予想を配信していますので、ぜひ見てください! 私よりも予想がうまい?と言われる、ペットの麦ちゃんとも予想対決をしています(笑)。

【プロフィール】
天童なこ てんどう・なこ 
愛知県出身。淡路島(兵庫県)在住。競馬ファン歴17年、調教重視予想の"調教ハンター"。好きな競走馬は「ダイワスカーレット」「ライスシャワー」「ネフェルメモリー」。YouTube『てんなこ競馬予想チャンネル』や『天童なこオフィシャルブログ』では調教予想を発信している。

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