中京で行なわれるセントウルS。同舞台を得意とする古豪の一発がある

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ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 夏の札幌、新潟、小倉開催が終わって、今週から競馬の舞台は中山と中京へと移ります。いわゆる、秋競馬のスタートです。

 いきなり3つの重賞が組まれていて、土曜日には中山でGI秋華賞(10月18日/京都・芝2000m)の前哨戦となるGIII紫苑S(9月12日/中山・芝2000m)が、日曜日には中山でGIII京成杯オータムハンデ(9月13日/中山・芝1600m)が、中京でGIスプリンターズS(10月4日/中山・芝1200m)の前哨戦となるGIIセントウルS(9月13日/中京・芝1200m)が行なわれます。

 そのうち、今回はセントウルSを取り上げたと思います。

 ズバリ、最大のポイントとなるのは、今年は阪神競馬場ではなく、中京競馬場で行なわれることです。右回りの阪神と左回りの中京とでは、明らかに勝手が違いますからね。また、スプリンターズSの前哨戦が、春のスプリントGI高松宮記念と同じ舞台で行なわれるというのは、興味深いところです。

 さて、過去2年はファインニードル、タワーオブロンドンとセントウルSを快勝した馬が、そのまま本番のスプリンターズSでも勝利を飾りました。今年は舞台が変わって、本番に直結するかどうかはわかりませんが、前哨戦のここでは、ダノンスマッシュ(牡5歳)、ミスターメロディ(牡5歳)、ビアンフェ(牡3歳)の3頭が、やや抜けた存在と見ています。

 なかでも、ダノンスマッシュからは、トライアルなら「勝って当然」といった貫禄、風格が感じられます。短距離重賞はすでに5勝をマーク。そのうち4勝は、GIの前哨戦にあたるレースで挙げたものです。GIになると結果が出ないのは悩ましいところですが、この路線で最上位の力を持っていることは間違いないでしょう。

 中京コースでは、3歳時のGIIIファルコンS(中京・芝1400m)で完敗を喫し、高松宮記念でも昨年4着、今年10着と、2年連続で人気を裏切る結果に終わっています。決して、相性のいい舞台とは言えません。

 しかしながら、今春のGII京王杯スプリングC(5月16日/東京・芝1400m)を完勝。そのレース内容からして、左回りに死角があるようには感じませんでした。これまで中京で結果が出ていないのは、あくまでも"巡り合わせの問題"と割り切っていいと思います。

 そして今回、個人的に興味をひかれたのが、前走のGI安田記念(8着。6月7日/東京・芝1600m)に続いて、三浦皇成騎手が鞍上を務めること。以前手綱を取っていた川田将雅騎手にセントウルSでの騎乗馬がいないなか、引き続き三浦騎手が手綱を取るということは、スプリンターズSまでコンビを組んでいく予定なのでしょう。

 ダノンスマッシュも、三浦騎手も、実績は十分にありながら、JRAのGI制覇には手が届いていません。ここで、スプリンターズSでの勝利が期待できるような内容、結果を見せてほしいと思います。

 ミスターメロディは、昨年の高松宮記念の覇者。3歳時には、ダノンスマッシュが敗れたファルコンSでも勝利を挙げています。セントウルSが阪神ではなく、中京で行なわれることは、大歓迎のクチでしょう。

 ここ最近は、昨秋にダート戦の地方交流GI JBCスプリント(6着。浦和・ダート1400m)に参戦して結果が出なかったり、今春もドバイに遠征しながらレースが中止になったり、その結果、前走の安田記念(11着)でも振るわなかったりと、今ひとつリズムがよくありません。

 それでも、今回は久しぶりに予定どおりに調整が進んでいるとのこと。高松宮記念以来の勝利なるか、楽しみです。

 3歳馬のビアンフェは、初の古馬相手のレース。力試しの一戦となりますが、1200m戦では連対を外したことがない、という安定感が光ります。ここでも上位争いが期待されます。

 ただひとつ気になるのは、夏の重賞で3歳馬が古馬相手に不振だったこと。GII札幌記念のブラックホール(9着)、GIII新潟記念のワーケア(10着)と、いずれもダービー出走組が惨敗し、古馬相手に通用しなかったことは不安材料となります。

 3歳馬のスプリント戦線ではトップクラスの存在となるビアンフェ。今年の3歳世代の実力を推し量るうえでも、同馬がここで通用するかどうか、注目されます。



セントウルSでの大駆けが期待されるセイウンコウセイ

 世代間の争いにも関心が寄せられるセントウルSですが、「ヒモ穴馬」には中京開催が有利に働きそうな、短距離界の古豪を取り上げたいと思います。2017年の高松宮記念の勝ち馬で、昨年の高松宮記念でも2着と好走したセイウンコウセイ(牡7歳)です。

「セントウルSが中京で行なわれると知って、秋の始動戦はそこから、と決めていた」という厩舎からの声も聞こえてきました。このコースなら、大駆けがあっても不思議ではありません。

 高松宮記念では、初参戦の2017年に勝利。以降、6着、2着、7着という結果となっていますが、すべて勝ち馬からコンマ5秒以内と大きく負けていません。他の条件のスプリント戦に比べて、明らかに安定しています。

 同じ中京の芝1200m戦となるGIII CBC賞でも、昨年のレースで3着と奮闘。関東馬ですが、中京が一番得意な舞台と見て間違いないでしょう。

 さらに、安定して前に付けられ、最後まで止まらずにしぶとく伸びる、立ち回りのうまさも魅力のひとつ。そして、馬場が渋っても苦にしない分、安定した成績を残すことができています。前走の安田記念(12着)は距離が長すぎましたが、1200m戦であれば、よほど時計が速くなったり、外差しの展開になったりしなければ、堅実に走ってくれると思います。

 ダノンスマッシュやビアンフェら、本気でGI制覇を狙う面々は手強い相手となりますが、条件の合っている今回、古豪セイウンコウセイの一角崩しに期待が膨らみます。

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