五十幡、光る走塁技術＝打撃向上にも意欲―野球プレミア１２・侍ジャパン

【台北時事】野球の国際大会プレミア１２で連覇を目指す日本代表「侍ジャパン」は、１次リーグＢ組を５戦５勝で突破した。キューバを７―６の接戦で下した１７日の第４戦では、俊足の五十幡（日本ハム）の走塁技術が光った。
雨が降る中での試合だった。６―６の八回。先頭小園（広島）の遊ゴロが敵失を誘うと、ベンチは切り札の五十幡を代走に送った。マウンド上は、ソフトバンクに所属するモイネロ。「速いクイックモーションがあるのは分かっていた。自分が走者に行って制球が乱れてくれればいいな、というのも考えていた」。盗塁を仕掛けることだけが代走の役割ではない。相手に自分の存在を強く意識させた。
けん制球後、モイネロが投じた初球は抜けて死球に。二塁に進んだ五十幡は、続く打者の内野ゴロで三進。栗原（ソフトバンク）のやや浅い左飛でタッチアップし、楽々と生還して決勝点を奪った。
今大会の侍ジャパンには、走力を買われて招集された。試合前に映像で相手投手を見る時は、走者としての目線であることが多いが、課題の打撃を磨く意欲も強い。「（代表活動では）見て学べることが多い。大事にしていきたい」と語る。
現役時代に巧打で鳴らした井端監督から助言を受け、同じ左打者の小園と打撃について意見を交わす。既に２次リーグ進出が決まっていた１８日のドミニカ共和国戦では、９番中堅で先発して九回に適時二塁打を放った。足でチームに貢献しながら、打者で飛躍する機会も探っている。