ヤクルトの青木、巧打は最後まで=42歳、惜しまれて去る―プロ野球

ヤクルトの青木が誇る巧打は、最後まで健在だった。神宮球場での引退試合。1番中堅で出場し、二回に床田の外角高め速球を左前へ流し打つクリーンヒットを放つと、六回には九里から右翼線二塁打。首位打者3度、シーズン200安打は2度、米大リーグでも活躍した技術を披露した。
ヤクルトは全員が青木の背番号「23」を付けた。「やっぱり打席に立てば打ちたいし、ファンもそれを期待していると思う。ちょっとでも心に届くといいし、記憶に残ってほしい」。真剣勝負を挑む広島の主力投手から快音を響かせる青木の打撃に、ホームの観客は大いに沸いた。
9月13日に現役引退を表明。18日に出場選手登録されると、同日から29日まで代打で10打数5安打と驚異的な成績を残した。同僚の山田がヒーローインタビューで「ヒットを見たら(引退を)取り消してほしいなと思う」と語り、ファンから賛同の拍手を受けたこともあった。
引退撤回を求める声に、当の青木は「自分の気持ちに区切りを付けたから」と戸惑いつつ、「もちろん、そういう声はうれしい。もう感謝しかない」。42歳の好打者は、惜しまれながらグラウンドを去る。

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