変幻自在なフィジー=「マジック」で豪州撃破―ラグビーW杯

オーストラリア戦でタックルを受けながら、パスを出すフィジーのランドランドラ(右)=17日、フランス・サンテティエンヌ(AFP時事)



【ニース(フランス)時事】ラグビーのワールドカップ(W杯)フランス大会1次リーグC組で、フィジーが過去2度の優勝を誇るオーストラリアを破った。豪州からの白星は69年ぶり。初戦でウェールズに敗れ、1勝1敗ながら今大会の台風の目になる可能性もある。
「フィジアン・マジック」と呼ばれる変幻自在なパスとランが持ち味。W杯では2007年に8強入りを果たしたが、その後は3大会続けて1次リーグ敗退。今年8月にライワルイ監督は「過去は過去。それはどうすることもできない。だから私たちは前を向く」と語っていた。
スピードなどの特性が、より生かされる7人制も重要視してきた「ユニークな国」(ライワルイ監督)。五輪で7人制が採用されてから2大会連続金メダルの強豪で、WTBランドランドラらは21年東京大会の優勝メンバーだ。15人制では「フィジアン・ドゥルア」が南半球最高峰リーグのスーパーラグビーに参戦。選手がレベルの高い環境に身を置くことで、戦力の底上げが進んでいる。
国際統括団体ワールドラグビーが代表資格条件を緩和したことで、同じ南太平洋のサモアは、ルーツを持つ元豪州代表選手などを加え、チームを強化した。フィジーはこの路線には消極的で、ライワルイ監督は「私たちのパスウエー(道)を通ってきた選手が代表の第一の選択肢」と強調する。わが道を行くフィジー。16年ぶりの8強入りを目指し、30日(日本時間10月1日)にジョージア、10月8日(同9日)にはポルトガルと対戦する。


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