琴桜、大の里から意地の白星で13勝目 年間最多勝確定し悲願初V目前も「しっかり集中」と平常心強調

大の里(右)を上手投げで破り1敗を守った琴桜(カメラ・今西 淳)

◆大相撲 ▽九州場所14日目(23日・福岡国際センター)

 大関・琴桜(佐渡ケ嶽)が1敗と首位の座を守った。大の里(二所ノ関)との大関対決は得意の右を差せず、逆に大の里も得意とする右差しを許した。だが下がりながらもガッチリつかんだ左上手で振って体勢を崩すと、右手で相手の胸を押しながら土俵下まで吹っ飛ばした。先輩大関の意地を見せる白星だ。「落ち着いて取り切ることだけを考えていました。(体が)反応してくれました」と冷静に振り返った。

 これで優勝決定戦に進出した1月の初場所に並ぶ自己最多の13勝目。今年の65勝目も挙げ、初の年間最多勝を確定させた。トップで並んでいた大の里に1差をつけ、千秋楽で逆転される可能性が消えた。初優勝の前にまず1つ“タイトル”を手にしたが「それは後からついてくるものですから」と意に介さなかった。

 千秋楽は首位で並ぶ大関・豊昇龍(立浪)との直接対決が組まれた。大関同士の千秋楽相星決戦は2003年名古屋場所の魁皇―千代大海以来、21年ぶり。初Vへいやが応でも期待は高まるが、琴桜は「意識しようがしまいが変わらないです。しっかり集中してやれば、結果としてついてきますから、やれることをやるだけです」と平常心を強調した。

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