20歳・大藤沙月「スタイルを守りから攻めに変えて良かった」伊藤美誠を破って8強入り…WTTファイナル

1回戦で伊藤美誠を破った大藤沙月

◆卓球世界ツアー ▽WTTファイナル 第2日(21日、福岡・北九州市立総合体育館)

 女子シングルス1回戦で、世界ランク8位の大藤沙月(ミキハウス)が2021年東京五輪混合ダブルス金メダリストで同10位の伊藤美誠(スターツ)との日本人対決を3(11―13、12―10、11―5、13―11)1で破り、8強入りを果たした。10月に初優勝したWTTチャンピオンズ・モンペリエに続き、伊藤に2連勝。20歳は「対策されて難しい試合だった。苦しい試合でも自分を信じて戦えるようになったのが、自分の成長。次の五輪を目指す上でも超えていかなければいけない相手。勝ててうれしい」と笑顔を見せた。

 接戦の第1ゲーム(G)を先取されたが、「自分を信じて」と強い気持ちで戦った。第2Gで最後は壮絶なラリーからバックハンドで決めきると、左拳を握った。2―1の第4G。10―11から追いつき、最後はバックハンドをストレートに打ち抜いた。安堵(あんど)の表情で客席からの拍手を浴びた。「第1ゲームから接戦で、どちらがとってもおかしくないゲームだったと思う。でも最後は自分で決めきることができて良かった」と胸を張った。

 10月のWTT・チャンピオンズモンペリエで初優勝を飾るなど、勢いを加速させる新鋭。4月に125位だった世界ランクは、自己最高の8位に浮上。躍進の契機は「プレースタイルを守りから攻めに変えて良かった」という。1月の全日本選手権で平野美宇に0―4で完敗。そこから「変えないといけない」と決断したことで飛躍につなげた。

 22日のシングルス準々決勝では、初戦でパリ五輪銅メダルの早田ひな(日本生命)を破ったルナデッテ・ソクス(ルーマニア)と対戦。今大会では同い年の横井咲桜(ミキハウス)と組むダブルスでも4強入りしている。28年ロサンゼルス五輪を目指す20歳は快進撃を続ける。

ジャンルで探す