藤田監督「箱根つながる」駒大2位 2区終了時16位も立て直した底力 アンカー山川は日本人歴代2位 全日本大学駅伝

第7中継所でタスキをつなぐ駒大7区の篠原(左)とアンカーの山川(代表撮影)

◆学生3大駅伝第2戦 全日本大学駅伝(3日、名古屋市熱田神宮西門前スタート~三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴール=8区間106・8キロ)

 史上初のV5はならずも、“藤色の常勝軍団”は粘り強かった。駒大は、2区終了時で16位と厳しい状況から執念の2位。藤田敦史監督(47)は、最終8区で青学大との2分37秒差を逆転した山川拓馬(3年)のフィニッシュを目に焼き付け「他の大学をけん制するインパクトを与えることができた。間違いなく箱根につながる」とうなずいた。

 2区で期待の新人・桑田駿介が苦戦し、16位まで順位を下げた。それでも上級生は諦めない。伊藤蒼唯(あおい、3年)は3区2位、篠原倖太朗(4年)は7区区間賞で3位浮上。8区の山川は「行くしかない」とハイペースで突っ込み、青学大を残り約2キロでかわした。95年に早大・渡辺康幸がマークした日本人最高記録に10秒と迫る同2位の区間賞。大八木弘明総監督(66)も「渡辺さんに近い力を持っている。学生のうちにマラソンができる」と興奮気味にたたえた。

 山川は前回大会後に左恥骨を故障。今季前半は治療などを最優先に「(体の)バランスを直したり、腰回りや股関節回りも強くするようにした」。丁寧な取り組みを重ね、藤田監督も「力が違うと思った」と話すほど夏以降に練習を継続。「56分台を狙っていた。詰めの甘さが出た」と開口一番、課題を挙げる山川には駒大の主軸の自負があった。

 故障で欠場したエース・佐藤圭汰(3年)について、指導する大八木総監督は「箱根には間に合う」と見通しを明かした。抜群のスピードを誇る佐藤が復帰すれば「もっと高いレベルのレースができる」と藤田監督。ベストメンバーのそろう箱根路で2年ぶりに王座を奪還する。(手島 莉子)

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