中谷潤人が井上尚弥戦について言及 「実現に向けて近くなっている」…相模原市でのV2報告会

本村賢太郎市長(左)から「称讃の楯」を贈られる中谷潤人(カメラ・谷口隆俊)

 プロボクシングWBC世界バンタム級(53・5キロ以下)王者・中谷潤人(M・T)の2度目の防衛報告会が2日、神奈川・相模原市の相模原市役所緑区合同庁舎で行われた。

 中谷は先月14日、当時同級1位ペッチ・ソー・チットパッタナ(タイ)に6回TKO勝ちし、V2を達成。この日、本村賢太郎市長をはじめ、集まった約200人の相模原市民らに「2度目の防衛に成功することができて、報告会を開催していただきうれしく思います」と喜びと感謝を示した。報告会では開始30分以上も前から50人近くが集まり、3階級制覇王者を一目見ようと2階から見おろす人も。

 中谷は米国で最も権威のある専門メディア「THE RING」が選出するパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)で9位につけているが、ペッチ戦後にはPFP2位で世界4団体スーパーバンタム級(55・3キロ以下)統一王者・井上尚弥(大橋)が「PFPになりたいという若者がいるというのであれば、その若者が来るのを待つしかない」と発言。明らかに中谷を連想される表現を用いて、対戦までフェザー級に階級を上げない方針を示した。「これだけボクシングファンが言っているのであれば、もう口に出していいのかな」とファン待望の一戦について、自ら切り出す形でハッキリと言及。ペッチ戦を見て「やっぱり強いなと印象ありましたし、だからこそ、自分も興味出てきた」と話した。

 この日、本村市長から「PFP1位目指してほしい。階級を上げていただき、皆さんが期待する人との対戦を楽しみにしています」と“エール”を贈られた中谷は、「(井上尚が)反応してくれたということで、よりファンの人たちの思いはより強くなったと思うので、実現に向けて、近くなってきているなというのがあります」と話した。

 今年は2月にアレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)に6回TKO勝ちしてWBC世界バンタム級王座を奪取、世界3階級制覇を達成した。その後7月にビンセント・アストロラビオ(フィリピン)に初回KO勝ちし、10月にもペッチに6回TKO勝ち。世界戦で3連続KO勝ちと快進撃を続けた。「たくさんの期待をすごく感じている。そこ(井上尚)戦に向けてと言うよりも、僕の目標であるPFP1位に向けて引き続き強さを求めていけば、そこにつながっていくと思う」と中谷。次戦については未定だが、「強さを求めていくうえで、バンタム級にこだわる必要もないかなと思う。体も成長しているし、だんだん減量もきつくなっている。ベストパフォーマンスが出せる階級でしっかり戦っていきたいと思っているので、統一戦か階級を上げるか、流動的ではあるが見極めてやっていきたい」と夢を広げた。

 戦績は31歳の尚弥が28戦全勝(25KO)、26歳の中谷が29戦全勝(22KO)。

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