【箱根駅伝予選会】29歳の東大大学院・古川大晃が箱根デビューへ「5区も準備」 東大の秋吉拓真は11番手

東大大学院の古川大晃(右)と東大の秋吉拓真

◆報知新聞社後援 第101回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)予選会(19日、東京・立川市陸上自衛隊立川駐屯地スタート~立川市街地~国営昭和記念公園ゴール=21・0975キロ)

 43校が参加し、各校で登録14人以内から選出された12人以内がハーフマラソン(21・0975キロ)を一斉スタート。上位10人のハーフマラソンの合計タイムで競い、1位通過の立大など上位10校が箱根駅伝本戦(来年1月2、3日)の出場権を獲得した。

 今大会では2年ぶりに関東学生連合チームがオープン参加する。連合は予選会で敗退したチームの選手で編成され、各校1人で、これまでに本戦出場経験がない選手が対象(外国人留学生を除く)。予選会の個人成績などを参考に選出される。東大大学院の古川大晃(博士4年)は1時間5分17秒で個人60位。連合チーム5番手で選出される見込みだ。

 古川は98、99回箱根駅伝でも連合チームの登録メンバー16人に入ったが、出走はできなかった。「今度こそ走りたい」と強い思いを持って予選会に挑み、最初の1キロは外国人留学生と並び、トップで通過。「その後、すぐに苦しくなりました。10キロ地点では全選手の中で僕が一番、苦しかったかもしれません。でも、その中でゴールまで粘ることができました」と充実した表情でレースを振り返った。

 1995年10月9日生まれの古川は、10日前に29歳の誕生日を迎えた「ベテラン学生ランナー」。熊本・八代高卒業後、1浪を経て熊本大教育学部生涯スポーツ福祉課程に入学。卒業後、九州大大学院人間環境学府に進学。そして、2020年に東大大学院の総合文化研究科広域科学専攻博士課程に進んだ。高校を卒業し、すでに11年目。どれだけ勉強が好きなのか。「高校の頃、勉強は好きではなかったけど、学べば学ぶほど勉強が好きになりました」と笑う。

 来春、京都の国立大学に博士研究員として赴任。いよいよ、学生生活を卒業する。長かった学生生活の締めくくりとして夢にまで見た箱根駅伝を駆ける。

 「上り坂も得意なので、5区も意識して走れる準備をします」と目を輝かせながら話した。

 古川が普段、一緒に練習する東大の秋吉拓真(3年)は1時間5分30秒で個人77位。連合チームには11番手で選出される見込みだ。「最後のゴール前は力を振り絞ることができましたが、中間走でタイムが落ちました。連合チームの10番手に入りたかったですね」と少しの後悔をにじませて話した。

 秋吉は22年に兵庫・六甲学院高から東大理科1類に現役合格。現在は工学部機械情報工学科で学ぶ。1500メートル(3分48秒33)、5000メートル(13分53秒28)、1万メートル(28分49秒27)、ハーフマラソン(1時間3分17秒)の4種目で東大記録を持つ文武両道ランナー。秋吉の箱根路デビューも可能性が残っている。

 連合チームの監督は例年、次点で敗退したチームの監督が指揮する。例年通りとすれば、今回は東農大の小指(こざす)徹監督(60)が務める。どのような選考と区間配置をするか、注目される。

 これまで、連合チームは前身の関東学連選抜含めて、学習院大初の箱根駅伝ランナーとなった川内優輝(37)=あいおいニッセイ同和損保=、東農大時代にはチームとしては箱根駅伝に出場できなかったパリ五輪男子マラソン代表の小山直城(28)=ホンダ=ら実力も魅力もある選手を生んだ。2年ぶりに結成される関東学生連合チームの奮闘は、第101回箱根駅伝の見所のひとつとなる。

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