若碇が史上13組目の親子関取に 父は元幕内・大碇 「次の目標は幕内に上がって番付を越すこと」

新十両昇進が決まった若碇は部屋の看板前でガッツポーズ(カメラ・三須 慶太)

 日本相撲協会は25日、東京・両国国技館で大相撲九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)の番付編成会議を開き、十両昇進力士を決めた。

 新十両で埼玉栄高出身の19歳、若碇(伊勢ノ海)は、甲山親方(元幕内・大碇)の長男。史上13組目の親子関取となった。昨年初場所の初土俵以来、負け越し知らず。都内の部屋で会見した若碇は、所要11場所での昇進に「僕の目標では5年以内には上がりたいと思っていたので、順調にきています」と本人も驚くスピードで番付を上げてきた。

 若碇が10歳の時、母・直美さんが他界。それからは父の甲山親方、祖父母が支えてくれた。「地方場所のときは、祖父母も来てくれていましたが、東京場所の時は基本、父が一人で家事や育児をやってもらっていたので、十両に上がって恩返しをしたいなと思っていました。次の目標は幕内に上がって番付(東前頭11枚目)を越すことが恩返しだと思っています。それに向けて努力し続けたい思います」と力を込めた。

 勝ち越しを決めた秋場所千秋楽の打ち出し後には、母の墓前に十両へ上がれそうなことを報告。角界に入門後は、母が生前に使っていたという交通系ICカードを使って場所入りしているという。亡き母への思いも胸に、お世話になった全ての人たちのためにも、さらに出世街道を歩んでいくつもりだ。いずれ、父も名乗ったしこ名「大碇」を継ぐプランもある。ただ「やっと若碇がなじんできた。(大碇襲名は)もう1つ先の幕内に上がってからでもいいかなと思います」と一層の奮起を期した。

ジャンルで探す