照ノ富士は秋巡業参加意向 横審・山内委員長明かす 新大関確実の大の里については「期待は膨らむ一方」

定例会合後に会見する横綱審議委員会の山内昌之委員長(カメラ・三須 慶太)

 日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の定例会合が23日、都内で開かれた。会合後に会見した横審の山内昌之委員長(東大名誉教授)は、秋場所を糖尿病と両膝のけがで全休した横綱・照ノ富士(伊勢ケ浜)について「休場は誠に残念でした。今場所はいろいろと話題性の多い場所でしたので、なお横綱の出場があれば、さらに活気がみなぎったと思いますが、照ノ富士自身は多くの疾患を抱えていて、その中でも(8月の夏)巡業に参加するなど、本人の可能な領域では今場所の前後においても活動してました」と理解を示した。

 同委員長は、協会より10月から始まる秋巡業に参加意向と説明があったことを明かした上で「そこで稽古を積み重ねながら、体調の回復、健康の回復などを図りながら、来場所への展望を開きたいということのようです。横綱の早期復帰への意気込み、あるいは責任感というものを示してると思いますので、私たちとしては見守っていきたいということですね」と静観する姿勢を示した。

 また秋場所で2度目の優勝を果たし、大関昇進を確実にしている大の里(二所ノ関)にも言及。「よくやったということが揺るがない印象。力強い相撲というのが印象的でしたね」と高く評価した。九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)に向けては「期待は大きく膨らむ一方。かなり高い形での星を挙げてほしい。優勝というものを目指すようなつもりで、横綱、それから2人の現大関(琴桜、豊昇龍)などと対峙(たいじ)するような相撲を期待しています」と希望を膨らませた。

 また秋場所中に引退した元大関・貴景勝の湊川親方にも言及。「貴景勝は押し相撲の新時代を作る代表格として登場し、非常に大きな期待を抱かせてくれた力士でした。首の周りをやはり十分回復することなく長いこと苦しんだということで、誠に彼も無念だったと思います。貴景勝が十分に才能を発揮できずに土俵を去ったというのはとても残念なことですが、今度は新しい力士の養成に一意専心してほしいという気持ちでいっぱいです」と、ねぎらっていた。

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