五輪代表に過去6人選出されたホッケーの町、岩手町には希望と夢がつまっている…パリへ届け・東北からエール

ナイター使用もできる岩手町ホッケー場(岩手町提供)

 今月26日、パリ五輪が開幕する。「とうほく報知」では、東北にゆかりのあるオリンピアンの関係者や町を取材。現地で奮闘する選手の素顔に迫る企画を随時掲載していく。第1回はホッケー・DF及川栞(35)=タカラベルモント=、MF田中彩樹(25)=グラクソ・スミスクライン=の2人。地元・岩手県岩手町は「ホッケーの町」。人口約1万1000人の町から、世界に羽ばたく背景を探った。(取材・構成=秋元 萌佳)

 日本におけるホッケーの競技人口は約3万人(同協会調べ)。野球やサッカーなどに比べてまだまだマイナースポーツだ。そんなホッケーを「町技」とするのが、岩手県岩手郡岩手町。始まりは1970年開催の岩手国体で、同町がフィールドホッケーの会場となったことがきっかけだった。

 国体の開催に先駆け、66年に岩手町ホッケー協会を設立。同時に、競技の普及振興を図るために「岩手町役場チーム」を発足させた。国体で全チーム中4位に入賞したことで熱が高まり、その熱が冷めないうちにと「町民ホッケー大会」が始まり、なじみ深いスポーツとなった。

 現在、同町での競技人口は約350人。小学校の体育の授業で取り入れられており、現在でも毎年10月に町民大会が開催される。小学校ごとや世代別でチームがつくられ、多くの世代が熱中している。町には岩手県では唯一、ホッケー協会公認のホッケー場があり、東京五輪ではアイルランド女子代表チームが事前合宿を行った。

 2008年北京五輪で、早野(旧姓・小沢)みさきさんが女子日本代表に初選出。おらが町から選ばれた五輪代表選手は及川、田中を含めて計6人もいる。幼い頃から競技に触れるだけでなく、県内では沼宮内高や不来方高ら全国優勝経験のある高校も身近で、憧れの存在。さらに大会出場補助金や、強化練習への遠征金など町のサポートも手厚い。今回初選出となった田中は「この素晴らしい環境でホッケーができるというのは大きい。諦めなければこの小さな町から五輪を目指せる」と次世代を担う子どもたちにも期待する。

 「さくらジャパン」こと、同代表は前回の東京五輪で1次リーグ5戦全敗の最下位に終わった。2大会連続出場となる及川は「少しでも町の明るい希望になって、子どもたちに夢を見させてあげたい」と、大きな成果を“ホッケーの町”に持ち帰るつもりだ。

 ◆岩手町 岩手県の中部から北部に位置する、岩手郡内の町。1955年に沼宮内町、御堂村、一方井村、川口村の1町と3つの村が合併し、現在の町名となる。総面積は360.46平方km、3日の時点で総人口は1万1678人、総世帯数5354世帯。

 ◆野球とサッカーの競技人口 NPBによると、野球は100万人以上。日本サッカー協会によると、サッカーは80万人以上。

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