ボクシングプロデビューの吉良大弥(きら・だいや)がキラキラダイヤモンドのように輝き1回1分58秒KO勝ち

デビュー戦で輝きをみせた吉良大弥(カメラ・佐々木 清勝)

◆プロボクシング ▽スーパーフライ級(52・1キロ以下)6回戦 吉良大弥―コムサン・カエウルエアン(27日、東京・後楽園ホール)

 アジアジュニア選手権50キロ級優勝などアマチュア3冠の吉良大弥(志成)が27日、プロデビューした。コムサン・カエウルエアン(タイ)相手に1回KO勝利した。わずか118秒での衝撃KOに「やりたいことを短い時間の中で凝縮してできた。100点です」と自画自賛した。

 戦績は21歳の吉良が1勝(1KO)、コムサンが5勝(3KO)2敗。

 吉良は奈良・王寺工高時代にアジアジュニア選手権50キロ級、高校選抜、インターハイで優勝。東農大に進んだが、プロ志向が強く、今年のパリ五輪出場への道が断たれたことで2年で中退し、プロの道に進んだ。

 大学の先輩であるWBA世界スーパーフライ級王者・井岡一翔と同じ志成ジムに入門。先月25日から今月16日まで約3週間、井岡と米ラスベガス合宿をともにした。基礎の大切さを改めて実感。ジャブを打つ際に「肘を開かないとか、体重の乗り方が偏りすぎないとか」。そして、「スパーリングの後とかが参考になりました。うまくいかなかったときでも気持ちが左右されない」とメンタル面でも大きな影響を受けた。

 迎えたデビュー戦はボディー、アッパーと得意の接近戦でリズムをつかんで相手を圧倒した。それでも能力の「1割ぐらい」という。世界王者すら通過点と考え、井岡についても「そこを超えないといけない。ゴールを決めてしまうと成長が止まってしまう」とキッパリ。「パウンドフォー・フォーパウンド(PFP、全階級を通じた最強ランキング)1位を目指している」と明言した。

 「インタビューは1点です」とはにかんだ無限の可能性を秘めたダイヤの原石がプロの世界で最高のスタートを切った。

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