2場所連続ちょんまげVに「悔しい気持ち」朝乃山、尊富士&大の里に「負けてられない」…7場所で休場4度も復活へ

稽古で体を動かす朝乃山(カメラ・大西 健太)

 大相撲の小結・朝乃山(30)=高砂=が25日、名古屋場所(7月14日初日・ドルフィンズアリーナ)での復活を期した。4月の春巡業で右膝を痛め、約3年ぶりの三役復帰で迎えた夏場所は無念の全休。平幕からの出直しとなる見通しだが、元大関は今月18日から相撲を取る稽古を再開した。この日は患部の状態を確認しながら、てっぽうなどの基礎運動で終え「膝は治ってきていて、状態はいいです」と明るい表情だった。

 長期出場停止から23年夏場所の再入幕以降は、満身創痍(そうい)だ。左上腕、左ふくらはぎ、右足首、右膝と故障が重なり、7場所で休場が4度と苦難が続く。この間に同じ学生相撲を経て入門した若手が台頭した。春場所では日大出身の幕内・尊富士(25)=伊勢ケ浜=が110年ぶりの新入幕V、夏場所では日体大出身の小結・大の里(24)=二所ノ関=が初土俵から所要7場所で最速優勝を成し遂げた。近大出身の30歳は先場所、テレビ越しで大の里の優勝を見届けることしかできなかった。「2場所連続で(大銀杏も結えないスピード出世となる)ちょんまげ(力士が)優勝していますし、負けていられない。大の里関の優勝は同じ北陸出身の僕にとってはいい刺激になりましたし、悔しい気持ちもある」と後輩への対抗心を燃やした。

 今週末には名古屋入りする予定で「関取衆と1か月間肌を合わせていないので、出稽古してどれだけの状態でいけるか」と、さらに調整のペースを上げる。「15日間皆勤しないといけないですし、そこから結果がついてくれると思う」。苦境を乗り越え、真夏の土俵で主役となる。(大西 健太)

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