大鵬の孫・王鵬、朝青龍の甥・豊昇龍破りトップ並ぶ…31年ぶり全6場所で異なる力士のV確定

はたき込みで豊昇龍(左)を破り2敗を守った王鵬(カメラ・佐々木 清勝)

◆大相撲 ▽九州場所12日目(24日・福岡国際センター)

 西前頭13枚目・王鵬が関脇・豊昇龍との同学年対決を制し、2敗でトップに並んだ。第48代横綱・大鵬を祖父に持つホープが、第68代横綱・朝青龍を叔父に持つ豊昇龍に快勝し、10勝目。2敗を守った東前頭筆頭・高安と合わせ、3人が並んだ。1差で大関・貴景勝、平幕の阿炎と輝の3人が追走。この日で年6場所全てで異なる優勝力士となることが確定した。31年ぶり3度目の珍事が起こった年を象徴するように、一年納めの場所も大混戦となった。

 王鵬が一気に主役に名乗りを上げた。優勝32回(歴代2位)を誇る大鵬を祖父に持ち、対する豊昇龍は優勝25回(同4位)の元朝青龍のおいっ子。共に横綱の遺伝子を受け継ぐホープ対決には、「誰に対しても勝ちたい気持ちは常にある。でも気合は自然と入りましたね」と闘志全開で挑んだ。

 立ち合いは頭でぶちかまし、ほぼ互角。下からあてがわれてやや引いたが、誘い込んだ土俵際で追撃のはたきがさく裂した。「引いてしまう相撲になったけど、めちゃくちゃいい立ち合いができた」と手応え。八角理事長(元横綱・北勝海)も「王鵬の当たりが良かった。(豊昇龍は)一瞬、焦りましたよね」と評価した。

 同じく18年初場所に初土俵を踏んだ同期で、単独先頭だった関脇を引きずり下ろす10勝目。優勝争いで豊昇龍、高安とトップで並んだ。直近2場所では逸ノ城、玉鷲の平幕力士が制覇。史上初の3場所連続の平幕Vも現実味を帯びてきた。祖父は62年前の九州場所で初賜杯を抱いており、王鵬は「全然そういうのは知らなかったですね。一生懸命頑張ります」と穏やかに笑った。

 数字上は優勝の可能性があった若隆景が敗北し、1991年以来31年ぶりに全6場所で異なる力士が賜杯を抱くことが確定した。初の幕内後半戦で相撲を取った22歳は「小さい頃から夢見ていた上位の土俵で相撲を取れて、優勝にも絡んでいけるのがうれしい。(V争いは)燃えますし、毎日がすごい楽しいです」と気分も上々。祖父・大鵬、父の元関脇・貴闘力に続く史上初の3世代Vへ―。勢いそのままに、荒れまくった今年最後の賜杯を奪ってみせる。(竹内 夏紀)

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