海藻を食べて健康に!ミネラル豊富な昆布から、美味しいだしの取り方をご紹介。だしがら昆布を使った美味しいレシピも

『腸活のスーパーフード まるごと海藻レシピBOOK』より
近年の研究で、脳と腸の密接な関係「脳腸相関」が解明されるなど、腸への関心は高まるばかりです。消化器専門医である江田先生いわく、海藻は腸内細菌に優れた影響を与え、健康効果につながるとのこと。そこで、料理家の井澤さんによる、さまざまな海藻をまるごと使えるレシピ本『腸活のスーパーフード まるごと海藻レシピBOOK』より、一部抜粋してご紹介します。今回は、海藻がもつ植物性たんぱく質の効果と、ミネラルを豊富に含んだ昆布による美味しいだしの取り方について。だしがら昆布を使った美味しいレシピもあるそうで――(取材・文/川越光笑、撮影/宮濱祐美子)

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【写真】だしがら昆布を活用した「昆布チップス」

海藻は栄養バランスのよい食材

わかめや昆布といった海藻類には、たんぱく質が多く含まれていることをご存じでしょうか。

それだけでなく、海藻類の植物性たんぱく質はアミノ酸スコアがとても高いことが分かっています。

アミノ酸スコアとは、食べ物に含まれる「たんぱく質」の量と「必須アミノ酸」がいかにバランスよく含まれているかを表す指標。

必須アミノ酸は9種類あり、1種類でも欠けると健康的な体を維持することが難しくなると考えられています。

また人体では作り出すことができないため、食べ物で補うしかないのです。特筆すべきは、海藻類は全体的にこの数値が高いということです。

含硫アミノ酸が多く含まれている

具体的には、必須アミノ酸の中でも、人体の有害物質を体外へ排出する作用をもつ含硫アミノ酸が海藻類の植物性たんぱく質に多く含まれます。

『腸活のスーパーフード まるごと海藻レシピBOOK』(著:井澤 由美子、医学監修:江田 証/家の光協会)

一方で、肉などの動物性たんぱく質に含まれる量はそれほど多くありません。さらに、のりやわかめなどの海藻に含まれるペプチドたんぱくに血圧を下げる作用があるといわれています。

基本的に肉や牛乳、卵などの動物性たんぱく質は、アミノ酸スコアは優秀ですが、少し脂質が多いのが気になります。

動物性と植物性のたんぱく質に関しては、お互いによい面があるため、1対1の割合で摂取するのが理想的です。

おいしいだしのコツ

和食に欠かせないだしのとり方を伝授。

ちょっとしたコツを押さえれば、家庭でも極上のだしがとれます。

1.昆布を長時間浸す
長時間水に浸してしっかり戻すのがポイント。最低でも30分、できれば冷蔵庫で一晩以上おくとうまみが抽出される。浸す前にふきんなどで表面の汚れを拭くが、白い粉はうまみなので拭き取らないこと。
2.昆布をたっぷり使う
水1Lに対して5gの昆布が目安。弱火でじっくりと時間をかけて抽出し、気泡がぷつぷつと出るくらい(60度)をキープして10分ほど火にかける。沸騰させると雑味が出てしまうため注意。

『腸活のスーパーフード まるごと海藻レシピBOOK』より
3.昆布とかつお節を一緒に煮ても
一般的には昆布を煮た後にかつお節を入れるが、最初から一緒に入れて煮出してもおいしいだしがとれる。かつお節20~30gを加え、中~弱火でコトコト15~20分煮る。昆布のグルタミン酸とかつお節のイノシン酸が合わさり、より複雑なうまみに。

『腸活のスーパーフード まるごと海藻レシピBOOK』より

だしがら昆布の活用レシピ

だしがら昆布には、思っているより多くの栄養が残っています。

佃煮にするのが定番ですが、新感覚のチップスはいかが。電子レンジで乾燥させるだけで簡単スナックのでき上がり。

●昆布チップス

【材料と作り方】

(1)だしがら昆布は水気をよく拭き、食べやすく切る。耐熱の器にオーブンペーパーを敷き、昆布をのせる。

(2)600Wの電子レンジで2分加熱し、返しながら40秒ずつ加熱を続け、両面を乾燥させる。昆布の表面が縮み、パリッとしたら完成。塩をかけて食べるほか、ゆかりやカレー粉、かつお節などをかけてもおいしい。

※本稿は、『腸活のスーパーフード まるごと海藻レシピBOOK』(家の光協会)の一部を再編集したものです。

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