『ニッポン視察団』外国人が絶賛するニッポンのお菓子。郷土料理のお菓子って? 福岡・ごろし、沖縄・サーターアンダギー、愛知・じょじょ切り【伝えていきたい全国の郷土料理・おやつ篇】

〈大分県〉ゆでもち(撮影:戸倉江里)
2022年9月3日(土)の『ニッポン視察団』は「外国人が絶賛」”この味にハマった”ニッポンのお菓子」です。日本のお菓子は老舗のお菓子から大手メーカーのお菓子、コンビニスイーツ、ファミレスなどチェーンのスイーツと花盛り。全国の菓子を紹介した『婦人公論』2022年7月号の記事を再配信します。


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日本の食文化は、地域によって気候風土が大きく異なる自然豊かな日本列島で育まれてきました。食が多様化するいま、1960〜70年頃に食卓にのぼった全国のふるさとの味をまとめた『伝え継ぐ 日本の家庭料理』という全集が話題になっています。前号に続き、企画編集を行った日本調理科学会会長(当時)の香西みどりさんの解説とともに、各家庭で親しまれてきた小麦と米類を使ったおやつの一部を紹介します(構成◎本誌編集部 撮影◎長野陽一〈おあえだんご、ふなやき、ほたようかん、ごろし、ミキ、サーターアンダーギー〉、五十嵐公〈じょじょ切り〉、高木あつ子〈お好み焼き〉、戸倉江里〈ゆでもち〉)

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【写真】朝ドラ『ちむどんどん』にも登場した沖縄のおやつ・サーターアンダギー

<前編よりつづく

長く受け継がれてきたレシピは理にかなっている

おあえだんごのレシピのように、もち米とうるち米を合わせただんごの作り方も多く見られます。もち米の粉だけで作ると、いわゆる白玉だんごの状態で、やわらかいけれどやや頼りない。少ししっかりした食感を出したいときは、うるち米を加えることで適度に粘るだんごに仕上げられるわけです。

小麦粉の生地で面白いのは、中力粉に重曹を入れた炭酸まんじゅうでしょうか。重曹を加えると生地がやわらかくなるだけでなく、二酸化炭素が発生するので気泡が入り、加熱によって膨らんでほわっとします。

日本調理科学会の前身である調理科学研究会を立ち上げたときの信念として、「調理のコツが真実ならば、そこには科学があるはずである」というものがあります。こうして長く受け継がれてきたさまざまなレシピを見ると、満足な調理環境になくても、限られた食材であっても、おいしく食べるためのコツの多くが理にかなっていることに驚かされます。

目分量で作られてきた家庭料理ですが、どなたでも再現できるよう数値化して、作りやすいレシピにしましたので、ぜひ全集を見ながらご自身で作っていただけたらと思います。

自宅で作れる郷土料理レシピ〈滋賀県〉おあえだんご

〈滋賀県〉おあえだんご(撮影◎長野陽一)

うるち米の粉ともち米の粉で作っただんごを、白和えでくるんだもの。豆腐、野菜、米粉を使っているので栄養価も高い

《 材料(4人分) 》

【だんご】
・上新粉、もち粉…各100g
・水…1/2カップ+1/4カップ

【和え衣】
・豆腐…1丁(300g)
・こんにゃく…1/3~1/2枚(100g)
・椎茸…2個(30g)
・にんじん…1/3本(50g)
・水菜(青菜)…1束
・白ごま…30g
・味噌、砂糖…各60g
・みりん…大さじ1(18g)

《 作り方 》

(1)だんごをつくる。粉を混ぜ、水1/2カップを加えて手で混ぜる。水1/4カップを少しずつ加えながら耳たぶくらいのかたさにする。
(2)直径2cmの平たいだんごにする。
(3)鍋に熱湯を沸かして(2)を入れ、だんごが浮き上がるまで5分ほど茹でる。
(4)冷水にだんごをとって冷まし、ザルにあげて水を切る。
(5)和え衣をつくる。豆腐を水切りし、ペーパータオルに包み水けを抜く。
(6)こんにゃく、椎茸、にんじんを短冊切りにし、塩ゆでして水を切る。
(7)水菜をゆがいて1cmほどの長さに切ってよくしぼる。
(8)すり鉢にごま、味噌、砂糖、みりんを入れて練る。砂糖の量は好みで調節する。
(9)(8)に(5)の豆腐を加えてさらによくする。
(10)(9)に(6)の具、(7)の青菜を入れて和えて混ぜ、そこにだんごを入れて手で衣をつけて丸める。

各地の郷土料理(1)

〈愛知県〉じょじょ切り(撮影◎五十嵐公)

〈愛知県〉じょじょ切り

汁ものとして食べる、麺状にのばした小麦粉の生地。写真はおやつに楽しむ甘い小豆汁だが、醤油味にして食事にする場合も

〈滋賀県〉ふなやき(撮影◎長野陽一)

〈滋賀県〉ふなやき

小麦粉を水で溶き、薄く焼いた生地に黒砂糖を巻き込んだおやつ。いまは生地に牛乳を加えるなど現代風にアレンジされ、広く食べられている

〈徳島県〉ほたようかん(撮影◎長野陽一)

〈徳島県〉ほたようかん

小麦粉と黒砂糖を使った蒸しパンで、岩手県の「がんづき」、鹿児島県の「ふくれがし」など全国的によく似た郷土菓子がある。蒸し型を使って大きく作り、重曹やベーキングパウダーで膨らませたふわふわの食感が愛されている

〈広島県〉お好み焼き(撮影◎高木あつ子)

〈広島県〉お好み焼き

戦前は小麦粉の生地に魚粉やかつお節、ねぎ、天かすなどをかけて焼き、味付けは醤油だった。しかし時代とともに具にキャベツや卵などが加わり、ソース味で食べるように。二つ折りにするのは、呉地域ならでは

各地の郷土料理(2)

〈福岡県〉ごろし(撮影◎長野陽一)

〈福岡県〉ごろし

小麦粉で作った生地を、波打たせるようにしながらひも状にのばし、茹でてきな粉や黒蜜をかけたおやつ。大分県にもこれとよく似た「やせうま」というおやつがあり、残った生地は味噌汁に入れてだんご汁として食べるところも共通している

〈大分県〉ゆでもち(撮影◎戸倉江里)

〈大分県〉ゆでもち

寒冷な竹田地方では米が不作のため、小麦粉のおやつが親しまれた。中力粉の生地にあんを入れたら、直径15cmほどの円形にのばして茹でる。時間が経って硬くなったら、あぶって食べても。皮が薄いので早く火が通り、蒸すよりも短時間で作れるところが、おやつにぴったりだった。皮が破れてあんが出ないように作れるかが腕の見せどころ

〈鹿児島県〉ミキ(撮影◎長野陽一)

〈鹿児島県〉ミキ

夏バテ予防にもいいと、奄美の長寿者に愛される発酵飲料。米粉をきび砂糖とともに煮たら、さつまいもの搾り汁を加えて発酵させる。現在は市販品がほとんど

〈沖縄県〉サーターアンダーギー

小麦粉に砂糖、卵、油などを合わせて混ぜ、油で揚げたもの。割れた形が特徴なので、浮いてきたら弱火にして自然に割れるのを待つ。日常的なおやつとしてだけでなく、祝い事にも欠かせなかった

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