世界を相手に一矢報いる今回期待の選手たちは?「X Games Chiba 2024」FINEPLAY編集部注目の日本人選手を紹介 ~スケートボード・ストリート編~

ついに開催まで1週間を切った、世界最大級のアクションスポーツの「X Games Chiba 2024」が、2024年9月20日(金)~22日(日)の3日間にわたり千葉市の幕張メッセにて行われる。日本では3回目となる今大会だが、今回は前回会場のZOZOマリンスタジアムから本会場に舞台を移し、日本のX Gamesの歴史に新たな1ページが刻まれる。

今大会はまだ記憶に新しいパリオリンピックで大活躍したスケートボード金メダリストの吉沢恋などのオリンピックメダリストを筆頭とした、年齢も国籍も異なった現在のアクションスポーツ界を牽引する国内外の世界トップアスリートが世界14ヵ国から総勢85名出場予定。現時点(8月31日時点)の詳細な選手リストはオフィシャルサイトにて要チェック。

なお本記事では編集部として注目している日本人選手の中からスケートボード・ストリート種目にフォーカスして紹介。今回紹介する2人のライダーの共通点として長年世界との差があると言われていた「パワー」という点に着目してほしい。

男子スケートボード・ストリート注目日本人選手:根附海龍

根附海龍 ©Brett Wilhelm/X Games

オリンピック選手や世界で活躍するスケートボーダーを多く輩出している静岡県。そんな静岡出身のライダーで現在最も活躍していると言っても過言ではないのが根附海龍だ。
注目されていたパリオリンピックには惜しくもあと1歩というところで出場は叶わなかったが、その後の国際大会でも世界王者になったり実力は間違いなく世界トップレベルであることを証明し続けている。

View this post on Instagram

A post shared by kairi.netsuke 根附海龍 (@kairi.netsuke)

根附の得意技と言えば踵でボードを一回転回す「ヒールフリップ」だ。
「バックサイドヒールフリップ」や「キャバレリアルヒールフリップ」などそのバリエーションはもちろんだが、もう1つの武器である力強いポップ力(デッキを弾く力)から繰り出されるヒールフリップを回してからのレールやレッジでの複合トリックが最大の武器なのでその辺りに注目してほしい。

技術などでは世界との差はないが、身体能力などが影響する「パワー」という部分では海外ライダーが有利だったがその点でも世界でトップレベルの「パワー」を誇るのが根附の魅力だ。そのため高さのあるセクションでもそのパワーを活かし、ヒールフリップなどの回してからの入りでも高さが届く。

根附のライディングの魅力は「パワー」の他にもう一つ、「安定感」だ。X Gamesで採用されているフォーマットである「ラン」にめっぽう強い。「ラン」セクションで構成を組み立てる際にまず優先するのが技の成功率となる。当然難易度を下げていけばそれだけ成功率が上がることは容易に想像ができるだろう。

しかし、根附の場合はこの成功率の高い技の難易度が非常にハイレベルなのだ。必然的にフルメイク、すなわち全てを成功させればそれだけ高い得点が出せる構成となる。間違いなく「X Games Chiba 2024」での優勝候補の1人となるのでこれらの点も踏まえて注目してほしい。

女子スケートボード・ストリート注目日本人選手:伊藤美優

伊藤美優 ©Mpu Dinani/X Games

山形が生んだキックフリップマスターこと伊藤美優。世界で最もハイレベルと言われている日本の女子ストリートシーンでここ最近頭角を表してきている。オリンピックには惜しくも出場できなかったが、根附同様その後の国際大会で数々のタイトルを獲得している。「X Games Ventura 2024」でも初出場初優勝を飾るなどその実力は紛れもなく世界トップライダーの一員だと言える。

つい先日イタリアで開催された世界選手権、ワールドゲームズでもパリオリンピック銅メダリストのライッサ・レアウ(ブラジル)、東京オリンピック金メダリストの西矢椛(日本)に次いで3位となった。この大会にはパリオリンピック金メダリストの吉沢恋(日本)や同オリンピック銀メダリストの赤間凛音なども出場しており、彼女らを抑えて表彰台に上がった。

View this post on Instagram

A post shared by X Games (@xgames)

彼女の魅力もポップ力(デッキを弾く力)だ。他のライダーがギリギリ届くか届かないかの高さがあるセクションも、持ち前のポップ力で伊藤は悠々届いてしまうことが多々ある。
やはりパワーという点では海外ライダーに目が行きがちだが、彼女のパワーは世界トップクラス。パワーに優位性を持つということはそれだけトリックへの余裕が生まれるので技の成功率も高い。

もう1点の強みは並外れた体幹を保持していることで、この体幹によってレールトリックやレッジトリックでの着地が少しズレても立て直せるのだ。セクションへの掛かりが不安定だとしても伊藤はそれを持ち直し成功させているところを度々見かける。そして体幹を活かしているのはセクションでのトリックだけではない。

「X Games Ventura 2024」のベストトリック部門でシルバーメダルを獲得した技で、女子ライダーで世界でも数名しか出来ない「ハードフリップ」というトリックも彼女の得意技だ。
このトリックはデッキを縦に1回転、横に180度回す複雑なトリックでこれだけを聞けば技術面が多く必要と思われがちだがポップ力がなければデッキを回すことすら出来ないトリックなのだ。
持ち味のポップ力、パワーを活かして「X Games Ventura 2024」に続きX Games2冠達成となるかは要注目。

X Games Chiba 2024では日本が世界に誇る「パワー」を持つライダーに要注目だ。

出場予定選手一覧 *8月31日時点

女子スケートボード・ストリート種目
Rizu Akama(赤間凛音)[JPN]
Chloe Covell(クロエ・コベル)[AUS]
Miyu Ito(伊藤美優)[JPN]
Ibuki Matsumoto(松本 雪聖)[JPN]
Funa Nakayama(中山楓奈)[JPN]
Momiji Nishiya(西矢椛)[JPN]
Yumeka Oda(織田夢海)[JPN]
Poe Pinson(ポエ・ピンソン)[USA]
Jessica Ready(ジェシカ・レディ)[NZL]
Pamela Rosa(パメラ・ローザ)[BRA]
Aoi Uemura(上村葵)[JPN]
Coco Yoshizawa(吉沢恋)[JPN]
and more

モンスターエナジー男子スケートボード・ストリート種目
Jhancarlos Gonzalez(ルイス ハンカルロス・ゴンサレス オルティス)[COL]
Kelvin Hoefler(ケルビン・ホフラー)[BRA]
Nyjah Huston(ナイジャ・ヒューストン)[USA]
Daiki Ikeda(池田大暉)[JPN]
Alex Midler(アレックス・ミドラー)[USA]
Filipe Mota(フィリペ・モタ)[BRA]
Kairi Netsuke(根附海龍)[JPN]
Ginwoo Onodera(小野寺吟雲)[JPN]
Cordano Russell(コルダノ・ラッセル)[CAN]
Raimu Sasaki(佐々木来夢)[JPN]
Toa Saski(佐々木音憧)[JPN]
Sora Shirai(白井空良)[JPN]

モンスターエナジー男子スケートボード・ストリートベストトリック種目
Kelvin Hoefler(ケルビン・ホフラー)[BRA]
Nyjah Huston(ナイジャ・ヒューストン)[USA]
Filipe Mota(フィリペ・モタ)[BRA]
Kairi Netsuke(根附海龍)[JPN]
Sora Shirai(白井空良)[JPN]
and more

大会スケジュール

スケートボード・ストリート種目

-9月20日(金)
10:15~11:15 男子スケートボード・ストリート 練習
12:30~13:30 女子スケートボード・ストリート 予選

-9月21日(土)
10:30~11:30 モンスターエナジー男子スケートボード・ストリート 予選
13:10~14:00 女子スケートボード・ストリート 決勝
15:05~15:35 モンスターエナジー男子スケートボード・ストリート ベストトリック

-9月22日(日) 
16:25~17:20 モンスターエナジー男子スケートボード・ストリート 決勝

大会情報

ジャンルで探す