5日間にわたる激戦となったS.LEAGUE開幕戦『第28回茨城サーフィンクラシック さわかみ杯』を制したのは

茨城県大洗町磯場ポイントでS.LEAGUE開幕戦となる「第28回茨城サーフィンクラシックさわかみ杯」が2024年8月21日〜8月25日の5日間に渡って開催された。
今回の開幕戦はショートボード、ロングボード、マスターズが同時開催となり、波の状況に合わせてショートボードとロングボードの試合が行われるのも新たな試みとなった。
ロングボードは磯場ポイントでの試合は初めてということもあり、今回初めて会場に訪れた選手も多かった模様。

会場となる磯場ポイントはインサイドに岩があり、波の変化が激しいポイントの1つ。潮の満ち引きで波数が少なくインサイドの岩を考慮して演技をしなくてはならない時間帯や、風の影響で海面が乱れることもあったが5日間を通して腹〜胸サイズの波が押し寄せていた。
また、波が来ない状況の時はインターバルを取り、選手が自身のパフォーマンスを発揮しやすいように運営側も配慮して行っていた。

ショートボード男子の優勝は兄弟対決を制した西優司が優勝

優勝した西優司 ©︎S.LEAGUE

決勝はパリ2024オリンピックに出場し日本人サーフィン最高位の5位入賞を果たした稲葉玲王を準決勝で破り、昨年のJPSAグランドチャンピオンに輝いている西慶司郎。対する相手は西慶司郎の実弟、西優司と兄弟対決となった。

決勝戦、先に動き出したのは兄の慶司郎。インタビューでも「一対一の戦いでは相手より先に動きたい」と語っていた言葉の通り仕掛けてきた。リズム良く点数を重ね、相手にプレッシャーをかける。対する弟の優司はじっくりと良い波を待つ兄、慶司郎とは対照的な試合運びで戦い、グッドスコアを2本揃えた弟、優司が優勝。

海から上がってくると長男の西修司、ファイナルを戦った次男、西慶司郎に担がれ嬉しい開幕戦優勝となった。インタビューでは涙で言葉を詰まらせながら、サポートしてくれている方への感謝の思いを語った。

ショートボード女子は中塩佳那が優勝

優勝した中塩佳那 ©︎S.LEAGUE

ショートボード女子の決勝戦は中塩佳那と川瀬心那の戦い。序盤から動きながら波に乗り、点数を重ねる川瀬。対する中塩は準決勝の戦い方と同様に自分の狙っている波をじっくり待つ戦略で決勝戦も戦う。中塩の試合運びが功を奏し、エクセレントスコアを2本揃え優勝。技術力の高さに合わせて限られた試合時間の中で良い波を見つけ、その良い波の1番良いポジショニングから波に乗る”波を見極める力”を兼ね備えている中塩が今シーズンも開幕戦から強さを見せた。

ロングボード男子の優勝は浜瀬海

優勝した浜瀬海 ©︎S.LEAGUE

ロングボード男子の決勝は浜瀬海、田岡遼平、森大騎、堀井哲の4名での戦いとなった。
今シーズンからWSLの「Longboard Tour Championship Series」に参戦している浜瀬が10点満点中の9.5ポイントとバックアップに8.25ポイントの2本を揃え全員をコンビネーションに追い込む圧倒的な強さを見せ優勝。
2位となった田岡は今回が初ファイナル。若手のプロロングボーダーの1人。今後の活躍に期待したい。

ロングボード女子の優勝は田岡なつみ

優勝した田岡なつみ ©︎S.LEAGUE

ロングボード女子の決勝は田岡なつみ、吉川広夏、榊原頼子、大橋寛子の4名での戦い。
田岡が4本目に9.25ポイントをスコアし、榊原と大橋はコンビネーションに追い込まれる。吉川はトップスコアを8ポイント、バックアップを7.65ポイントとし優勝するために必要なスコアが8.46ポイント。吉川は果敢に攻めるも逆転に必要なスコアを出すことができず田岡が優勝。
田岡は現在WSL Longboard Tour Championship Seriesで3位という素晴らしい成績を残している中、S.LEAGUE開幕戦の優勝を飾った。

大逆転でマスターズ初優勝を飾った河野正和

優勝した河野正和 ©︎S.LEAGUE

マスターズ決勝は、牛越峰統、原田正規、河野正和、今村厚の4名。
セットの波を掴んだ原田が7ポイントをスコアし試合を終始リード。河野が中盤で掴んだ波で8.75ポイントをスコア。優勝する為に必要なスコアが4.25ポイント。試合終了間近に入ったセットを掴み、7ポイントを出し見事逆転優勝。
河野は茨城サーフィンクラシックのショートボード男子の初代優勝者でもあり、嬉しいマスターズ初優勝となった。

新たなスタートを切ったS.LEAGUE

サイン会の様子 ©︎S.LEAGUE

JPSAから新たにS.LEAGUEとなり初めての試合となったが、会場には大型スクリーンが併設され、フードトラックも並んでいたりと試合観戦がより充実した時間を過ごせるようになっていた。
また、選手の入場の際には紹介のアナウンスに加え豪華な演出が加わり選手の個性を垣間見ることが出来るのも見どころの1つとなっていた。
試合終了後には出場していたプロサーファーのサイン会が行われ選手のモチベーションにもなるはずだ。

今シーズンは今大会の第28回茨城サーフィンクラシックさわかみ杯から始まり、来年の4月まで行われる。
次戦はショートボードとマスターズは2024年10月17日〜10月20日(予備日:10月21日)静岡県下田市・多々戸海水浴場にて、またロングボードは2024年9月15日〜9月16日(予備日:9月17日)神奈川県茅ヶ崎市・茅ヶ崎パークにて第2戦が開催される。

新たにスタートしたS.LEAGUEの動向が見逃せない。

『第28回茨城サーフィンクラシック さわかみ杯』結果

《ショートボード男子》
1位 西優司
2位 西慶司郎
3位 稲葉玲王、田中大貴

《ショートボード女子》
1位 中塩佳那
2位 川瀬心那
3位 宮坂麻衣子、川合美乃里

《ロングボード男子》
1位 浜瀬海
2位 田岡遼平
3位 森大騎
4位 堀井晢

《ロングボード女子》
1位 田岡なつみ
2位 吉川広夏
3位 榊原頼子
4位 大橋寛子

マスターズ
1位 河野正和
2位 原田正規
3位 今村厚
4位 牛越峰統

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