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中学生に玉砕も晴れやか…全日本卓球初出場の35歳岩城禎 公務員辞めて夢舞台

2回戦で松島輝空(右手前)と戦う岩城禎=丸善インテックアリーナ大阪(撮影・高部洋祐) (C)デイリースポーツ

 「卓球・全日本選手権」(14日、丸善インテックアリーナ大阪)

 男子シングルス2回戦で、35歳にして初出場を果たした岩城禎(緑の館)が、13歳のスーパー中学生、松島輝空(エリートアカデミー)と対戦。0-3(4-11、7-11、4-11)のストレートで完敗し、大会を後にした。

 これが全日本選手権の“磁力”なのか。卓球台で向かい合ったのは親子ほど年の離れた2人だった。35歳の岩城が初出場なのに対し、松島は中学1年ながら一般の部で2度目の出場。昨年はジュニアの部で準優勝し、国際大会にも出場経験があるなど将来を嘱望されるホープだ。

 「松島選手は天才と言われているが、自分よりも努力している選手。全てにおいて向かっていくつもりだった」と胸を借りた岩城だったが、13歳の正確無比でピッチの速い卓球に対応しきれず、玉砕。「年上と試合してると思うくらい、彼の方が落ち着いていた」と逆転現象に笑った。

 異色の経歴から夢の大舞台にこぎ着けた。小学5年のクラブ活動で陸上部を希望したものの、ジャンケンで負けて1人だけ入れなかったことから卓球を開始。「昔から球が遅いとか、攻撃が弱いとかコンプレックスがあったが、勝てない相手にも戦術などで勝てるようになるのが一番の喜び」と競技の魅力にのめり込み、神戸大を卒業後、司法試験に挑戦した時期もラケットを離すことはなかった。

 結婚を機に奈良・大和郡山市役所に勤務したものの「働く中で、この調子では全日本に出るのは厳しい。人生は一度しかない」と、卓球の練習時間を確保するために退職。家族の理解のもと、現在は投資関係で生計を立てながら日夜練習に励んでいるという。

 15回ほどの挑戦を重ねてようやく地区予選で出場権を獲得し、晴れ舞台でトップ選手と対戦した。敗れはしたが、「全てにおいて松島選手の方が上なので、一本でも満足いくラリーができたらいいなと思って臨んだ。その意味では力は出せた」と晴れやかな表情。来年以降も挑戦する意向を示し、「今までは(全日本選手権に)出ることを目標にしていたが、次は1回勝つことを目標に、年齢に関係なく頑張っていきたい」とさらに勢いづいていた。

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