【栄氏会見全文】伊調への直接謝罪を希望 「常に他者に敬意を」と反省

会見中に唇をかむ栄和人監督=駒沢体育館(撮影・園田高夫)

 女子レスリングで五輪4連覇の伊調馨(34)=ALSOK=へのパワーハラスメントが認定され、日本レスリング協会の強化本部長を辞任した至学館大の栄和人監督(57)が14日、都内で会見を開いた。パワハラ認定後、栄氏が公の場で発言するのは初めて。「コミュニケーション不足」が今回の事態を招いたと反省し、今後へ向けて「常に他人に敬意をもって接することを心がけたいと思います」と語った。伊調に直接会って謝罪することも、この日から始まった明治杯全日本選抜選手権(17日まで)の期間中に行いたいとする考えも示した。以下、栄氏の発言や質疑応答の要旨。
 (グレーのスーツ姿で姿を見せた)
 「まず伊調選手、田南部コーチに、深くお詫びいたしたいと思います」
 (用意した文章を読み上げる)
 「第三者委員会および、内閣府からご指摘いただいたパワハラ認定を真摯に受け止め、伊調選手、田南部コーチ、レスリング協会関係者、また、内閣府をはじめとする関係省庁、さらにこれまでレスリングを応援してくださった国民の皆さまにただいなご迷惑をおかけしたことを心からお詫び申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」
 「4月6日に強化本部長を辞任するにあたり、マスコミ等には謝罪文をお送りしましたが、体調も芳しくなく、また、日本レスリング協会から裁定を受ける身であったため、協会の理事会や大会等の公式行事の出席、および公の場での発言を自粛しておりました。本日、あらためてあらためて謝罪表明をさせていただきます」
 「6月8日の理事会において、常務理事の解任の決議がなされ、6月23日の評議員会にて正式に決まる運びとなります。今後、二度とこのようなことを起こさないよう、常に他人に敬意をもって接することを心がけたいと思います。協会が実施する改善策プログラムに沿って、一指導者として日々、精進したいと思います」
 「最後に伊調選手、田南部コーチに対して、まことに申し訳ありませんでした」
 (以下、質疑応答)
 −第三者委員会、内閣府にパワハラを認定された事実があるが、ご自身としては事実として認めるか。
 「8年前に、私自身が一句一字どういったことを言ったかということに関しては覚えておりませんが、コミュニケーション不足が生んだことが、このような事態になったと深く反省しております」
 −伊調選手、田南部コーチとの行き違いは何から生まれたか。
 「本当に田南部コーチは素晴らしい指導能力があって、田南部コーチに指導を受けたいという選手もたくさんいる中、(田南部コーチが)伊調選手に費やす時間が多かったことも、選手からあったため、他の選手も(田南部コーチには)見てほしいという思いからこういう行き違いがあったと思います」
 −今後改善していくことは。
 「私自身、本当にこのことを真摯に受け止めて、これから協会の改善策プログラムがあることを聞いておりますので、それに参加して、もっともっとこれから指導させていただけるのであれば、これから指導の道でやっていくのであれば、しっかりと勉強していなければいけないなと感じております」
 −伊調選手に直接謝罪はしたか。
 「何度かは、ALSOKの監督さんを通して会って謝罪したいという話はしていましたけど…。これからしっかりと協会を通して(話をして)会って直接謝罪したいと思います」
 −謝罪について。昨日、直接お会いしたという話も聞いた。
 「協会側と私個人とでは、違った『会う』という話だったと思うんですけども、私は大会期間中にどこかでタイミングがあえばという話は聞いておりました。昨日ではないと思います」
 −今回、指導者自体を退くべきという意見もあった。
 「大学側も、今のチームの選手たちの気持ち、そして何が行われていたかを調査した上で、トップの判断で指導してもいいんじゃないかということだと思うんですけど…。なにしろ、至学館大学にも、今のアスリート、オリンピックを目指す選手がいますので、その選手たちが望むのであれば、少しでも力になれるのであればと思って、今はやっておりますが…。もっともっとしっかり勉強して、どういう形で携わっていくのかは、ゆっくりまた考えたいと思います」
 −今の選手にはどう説明したか。
 「正直、全員が学長から『監督、全員があなたたの指導を受けたいと言っているよ』という言葉を聞いた時に、私は選手の前で、本当にこの子たちをどうにかしてあげたいと、伊調選手、田南部コーチに対して本当に心から申し訳ない気持ちを持ちつつ、この子たちもどうにかしてあげたいという思いで、選手たちの前で涙が出てきました」
 −至学館大の選手に経緯などは話したか。
 「選手を動揺させたことには謝りました。選手は試合が近いから、自分の練習をしっかりして、試合に向けて頑張ってほしいという言葉をかけました」
 −パワハラについて、協会のプログラムで学んでいきたいという話だったが、至学館大学の監督として、管理者としてパワハラを起こさせないことも必要では。
 「まず自分がしっかり講習を受けたり、しっかり身につけた上で、そういうことを考えられると思いますので、今のところは自分が自らそういうことを率先してはたらきかけることはどうかと思っております」
 −プログラムを受けながらというのは、至学館大での指導を続けながらか。指導はいったん外れるか。
 「そこは大学側が指導をやめろと言っているのであれば身を引くし、そこは選手がいますので、選手と相談をしながらだと思いますけども。自分の判断ではどうしようもありません。(練習に)顔は出しております」
 −協会の強化本部長に将来的に、同様の立場に復帰する考えはあるか。
 「私の中ではそれは考えておりません。全然」
 −伊調選手、田南部コーチにパワハラを働いてしまった理由は何と思うか。
 「自分の中ではその場、その場のコミュニケーション不足が招いたのかなと思っております」

ジャンルで探す