【巨人】松原聖弥の電撃トレードは「原チルドレン排除」通告も異例の冷遇ぶりだった

松原聖弥

 巨人松原聖弥と西武・若林楽人の外野手同士の交換トレードが発表されたのは6月24日。これが今季12球団で初のトレード成立となった。

 仕掛けたのは西武だ。チーム打率、得点ともに、パ・リーグだけではなく12球団でダントツの最下位。首位ソフトバンクとは25ゲーム差も離された。21日に行われた西武ホールディングスの株主総会では多くの株主から「なぜ弱いのか説明してほしい」という厳しい質問まで出ていただけに、トレードはそれに応えた形となった。

 一方、「驚きの方が大きかった」と語っていたのは松原だ。ただ、昨オフは出場機会の激減で「知らない電話番号からかかってきたら、もう契約はないなと思っていた」という。

「今回のトレード通告は奇しくも知らない番号からの電話だったそうで、出ると編成担当だったという。しかし巨人の場合、シーズン中のトレードが決まった場合は本人を事務所か球場に呼び出して通告するのが慣例。今回の松原のように電話だけというのは、あまり聞いたことがありません」(夕刊紙記者)

 その“冷遇”ぶりは、松原が前任者の「原チルドレン」の1人だったことが大きい。2016年育成ドラフト5位で入団。その才能にまず目をかけたのは高橋由伸元監督で、2年目に支配下登録にした。21年には原辰徳前監督からチャンスをもらい、セ・リーグ育成選手出身者で初の二桁本塁打(12本)を放ち、巨人生え抜きの選手として最多となる27試合連続安打も記録するなど一気にブレイクした。翌22年には背番号が31番から一桁となる「9番」に変更。「お前は天才」と原監督には打撃センスの高さを大いに評価されていたが、昨年は背番号を59番に変更されていた。

「今季オープン戦では好調で1軍スタートを切ったものの、結局は阿部監督の若手起用の方針によりレギュラーは掴めず、4月15日の登録抹消以降、1軍がいくら貧打に苦しんでいても昇格はありませんでした。同じ貧打の西武と、同じ外野手どうしのトレードに『西武の方が明らかに得をした』との声ばかりが聞こえてきます」(前出・夕刊紙記者)

 松原と若林の新天地での活躍を期待したい。

小田龍司

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