投手心理読み、放った走者一掃の二塁打 広島商、中国大会決勝に進出

広島商の柳井晶翔選手(2年)=2024年11月3日、島根県立浜山、遠藤花撮影

(3日、第143回秋季中国地区高校野球大会準決勝 広島商6―3岡山学芸館)

 真っすぐでストライクをとりにくるはず。相手の焦りを読み取り、狙いを絞った。

 一回表、2死満塁の好機。広島商の6番打者・柳井晶翔(あきと)選手(2年)は打席に立つと、岡山学芸館の投手に目をこらした。2者連続の四球を出し、早くアウトを取ろうと気がせいているはずだ。初球を見送ると、内角に甘く入った直球に狙い通りバットを合わせた。打球は左中間を破り、一気に3点を先制する二塁打となった。

 その裏、捕手としてマスクをかぶった。だが、先発の徳永啓人(ひろと)投手(同)の制球が定まらない。二回には、四球で出した走者を適時二塁打でかえされた。真っすぐでカウントを取るようサインを出し、失点を最小限に抑えた。救援した大宗和響(かずき)投手(同)も本来の投球でなかったが、思い切り投げろと鼓舞した。

 春の選抜大会出場がかかる大事な試合。背番号12を背負いながらも先発出場し、七回裏に交代するまで3―2と試合を作り、その期待に応えた。

 1993年以来の中国大会優勝まで、あと一つ。柳井選手は「どんな球でも止めて、負けない試合をしたい」と意気込んだ。(遠藤花)

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