北海、札幌日大、聖光学院、花巻東が交流試合 野球普及のイベントも

聖光学院―札幌日大 三回裏札幌日大、中塚の適時打で二塁走者吉田が捕手横山のタッチをかわして生還=2024年11月3日、ヨークいわき、八鍬耕造撮影

 北海道と東北の高校野球チームが交流する初めてのイベントが3日、福島県いわき市のヨークいわきスタジアムであった。両地区の大会で上位に進出したそれぞれ2校が参加して対戦した。

 参加したのは北海、札幌日大、聖光学院(福島)、花巻東(岩手)の4校。原則は秋季地区大会4強の中から決まり、開催県の秋季県大会優勝校として参加した聖光学院は東北大会で優勝した。

 交流試合開催の背景には、北海道のチームが抱える事情があった。

 北海道高野連の横山泰之専務理事は「11月後半に開催される明治神宮大会に出場する秋の優勝チーム以外は、この時期、他県と交流しにくい課題があった」という。日程や遠征費などの問題から、本州に遠征して強豪と手合わせをすることが難しい。地理的に近く、秋季大会の終了が早い東北とニーズが一致した。

 偶然ではあるが、北海は今春の選抜大会、その他の3校は夏の全国選手権大会に出場し、参加校すべてが今年の甲子園出場校になった。

 札幌日大の森本琢朗監督は「道外の強豪との対戦はありがたかった」と感謝した。聖光学院との試合は終盤まで1―1の同点が続いた。九回2死からの守りで失策が出ると、次打者に決勝の2点本塁打を浴びた。

 聖光学院の斎藤智也監督は「札幌日大の投手陣が素晴らしかった」とたたえた。招待試合などで北海道に遠征した経験はあるが、この時期にレベルの高い北海道のチームと対戦できるのは貴重だという。

 この日は、野球普及などを目的に、観戦に訪れた子どもたちに、高校球児の指導でボール遊びをしてもらう活動も行われ、約60人が参加した。ティー打撃、1から9までの的にボールを当てる「ストラックアウト」やキャッチボールなどで楽しんだ。

 いわき市の小学6年生、伊藤太陽さんはティー打撃に参加し、「楽しかった。高校球児に最後までボールを見てスイングすることをアドバイスされた」と目を輝かせていた。

 東北地区高野連代表理事の大場卓也・山形県高野連理事長は「これだけ多くの子どもたちが参加してくれるとは思わなかった。東北、北海道を代表する強豪校が集まったことで影響したと思う」と話した。

 第1試合は聖光学院が3―1で札幌日大を、第2試合は花巻東が13―2で北海を破り、いずれも東北勢が勝利を挙げた。

 交流試合は4日も行われる。(八鍬耕造)

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