熱気を帯びた開幕戦、西田有志が代弁した「SVリーガー」たちの思い

第1セット、スパイクを決める大阪Bの西田(左)=恵原弘太郎撮影

 バレーボールの新たなリーグ「SVリーグ」が11日、開幕した。昨季の男子V1覇者サントリーと、同2位のパナソニックが前身の大阪Bが東京体育館で対戦し、大阪Bが3―0のストレートで記念すべき1勝を挙げた。Vリーグに代わる国内トップカテゴリーのリーグとして発足、世界最高峰のプロリーグになることをめざす。今季は男子が10チーム、女子が14チーム参加。ホーム・アンド・アウェー方式で44試合を戦い、男子は6位、女子は8位までが来春のプレーオフに進出する。女子の開幕戦は12日に行われる。

■大阪Bがサントリーに快勝

 白色を基調としたコートでの開幕戦で、大阪Bのセッター永露はトスを変幻自在に散らした。代表クラスの選手たちが、次々と反応する。

 チーム初得点は、新加入のキューバ代表ロペスのスパイクから。日本代表の点取り屋、西田が強打でレシーブを吹き飛ばす。身長200センチの米国代表ジェスキー、204センチの山内はブロックの上からたたき込んだ。

 「しっかり面白い展開にできた」と西田。昨季のV1決勝で敗れたサントリーを寄せつけなかった。

 今夏のパリ五輪で、男子日本代表の試合中継は、世帯視聴率が20%を超えた。一方、その人気が国内リーグの集客につながらないことが、バレー界の長年の課題だ。

 タレントを多数擁する両雄によるオープニングゲームは熱気を帯びた。スモークがたかれ、日本バレーの歴史をひもとく映像が流れた。オーケストラの生演奏による演出もあった。国内リーグ戦が地上波で生中継されるのは異例で、グッズ売り場には開場前から長蛇の列ができた。チケットは完売し、昨季の1試合あたりの平均入場者数(2180人)を大きく上回る約6500人が集まった。

 ただ、新リーグが無事に立ち上がったものの、完全なプロ化は先送りされた。コート内の変化といえば、外国人選手枠(アジア出身選手を除く)が1人増えて、2人になったことぐらい。

 西田は「SVリーガー」となった選手たちの思いを代弁するように言った。「今回はサントリーと大阪Bの試合をすごく取り上げていただきましたが、これから各チームを盛り上げていただくことがすごくありがたいこと」。このボルテージを一過性のものにしてはいけない。(大宮慎次朗)

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