3年生のために熱投 門司大翔館・酒匂選手「来年は僕が中心に」誓う

力投する門司大翔館の酒匂=2024年7月3日午後2時7分、北九州市民、岩田誠司撮影

(3日、第106回全国高校野球選手権福岡大会2回戦 折尾3―2門司大翔館) 門司大翔館二塁手の酒匂良輔選手(2年)がマウンドを託されたのは1点を追う六回表だった。先発の田鶴原祢央選手(同)の爪が割れ、想定より早い継投。急いで肩をつくった。

 直球は走る。自信を持てた。気合のこもった顔でほおを膨らませ、厳しいコースに投げ込んだ。五回まで5安打の折尾打線をこの回は三者凡退で終わらせた。同点に追いついた後の七回も内野ゴロ、内野ゴロ、三振。スタンドを沸かせた。

 だが八回。先頭打者に二塁打を浴びる。犠打と犠飛で1失点。これが決勝点となった。

 「3年生を勝たせたい」。この一心で試合に臨んでいた。強打の2番打者として初回は適時二塁打も放った。だが試合後、「決勝点を与えた」と自分を責めた。この日登板した3人は2年生と1年生。「来年、先輩に恩返しをします。僕がその中心になりたい」と誓った。(岩田誠司)

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