広島・菊池涼介が決勝本塁打 5投手の継投で最少失点、鉄壁の守り

広島の菊池涼介=2023年10月20日、阪神甲子園球場

 (29日、プロ野球 広島東洋カープ2―1読売ジャイアンツ

 大歓声に包まれ、ボールがスタンドに届く。

 同点の九回2死。広島の菊池涼介が、巨人の抑え・バルドナードの変化球にバットを合わせる。滞空時間の長い打球は決勝アーチとなり、菊池は「毎試合投手に助けられてばかり。入ってよかった」と喜んだ。

 広島は1試合平均得点が約3点と、打力は高くない。この日も3安打。それでも首位を走るのは、リーグ1位の防御率2.04を誇る投手陣を擁するからこそだ。

 代表格が大瀬良大地。無安打無得点試合を今月成し遂げた右腕は、この日も安定感抜群だった。コースを突いた直球とカットボールを駆使。奪った19アウトのうち三振は3と、凡打の山を築いた。

 それができるのも、野手が手堅い守りができるから。六回1死一塁で、前夜サヨナラ本塁打を放った絶好調の丸佳浩を迎えても、姿勢は変わらなかった。外角の145キロでゴロを打たせる。遊撃の矢野雅哉が捕球し、すばやく二塁の菊池へトス。菊池は肩の強さを発揮して一塁に送球し、併殺に仕留めて危機を切り抜けた。連続無失点イニングを35回3分の1に伸ばした大瀬良は、こともなげに言った。「堅いバックを本当に信頼しきっている。うちのリリーバーも鉄壁なので」

 5投手でつないで、最少失点に抑えて勝利。「ロースコアを逃げ切るのが、うちの今やっている野球」と新井貴浩監督。意思疎通の図れているチームは、強い。(堤之剛)

■監督と選手のコメント

 新井監督(広) 「うちらしい全員野球で、勝ち切った試合だった」

 矢野(広) 二回に適時打。「気合です。必死に食らいついていった。先制点につながってよかった」

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