55チームの組み合わせが決定 高校野球岩手大会、7月10日開幕

くじを引いて番号を読み上げる選手。対戦が次々に決まっていった=盛岡市

 第106回全国高校野球選手権岩手大会の組み合わせ抽選会が27日、盛岡市の都南文化会館(キャラホール)であり、対戦が決まった。今年は63校55チームが出場する。7月10日にきたぎんボールパーク(盛岡市)で開会式があり、今年度を最後に不来方と統合される盛岡南の下田大地主将が選手宣誓する。開幕試合は盛岡四と花巻農の対決に決まった。日程が順調に進めば、決勝は25日に行われる。(藤井怜、松尾葉奈、伊藤恵里奈)

 Aブロックは、春の県大会と東北大会を制した花巻東が2連覇を狙う。昨夏の甲子園でマウンドに立った小松龍一と葛西陸が残り、投手層は厚い。初戦は盛岡四と花巻農の勝者と戦う。昨秋と今春で8強の高田、いずれも昨秋4強の盛岡中央や水沢工も力がある。

 Bブロックは、好勝負が期待される。昨秋の県大会優勝の一関学院は技巧派の小山礼莉と制球力のある高沢奏大の二枚看板をそろえ、2年ぶりの夏の甲子園を狙う。盛岡三は昨夏の準優勝に貢献した本格派の藤枝歳三を擁し、1994年以来の公立校優勝を目指す。今春4強の水沢商も勢いがある。

 Cブロックは、混戦模様になりそうだ。春の県大会4強の大船渡は長根大祐や豊間根陸人の両右腕が安定し、守りが堅い。昨秋準優勝の久慈や、昨夏4強の盛岡一はノーシードから上位を狙う。今春8強の専大北上は打力があり、好チームがそろう。

 Dブロックは、春の県大会で準優勝し、東北大会4強の盛岡大付が軸になりそうだ。長打力のある森谷光佑や俊足の桜庭千晃らが打線を引っ張り、3年ぶりの頂点をめざす。春8強の盛岡誠桜や、昨夏4強を経験した選手が残る盛岡商も上位をうかがう。

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■シード4校 意気込む

■花巻東・村上太一主将

 今年の夏はチャレンジャーの立場だと思っている。もちろんチームとしては、岩手大会2連覇・日本一という目標を掲げている。だが、自分たちの代は弱いので、昨年秋の県大会では初戦で敗退してしまった。

 先々をみすぎると、足元をすくわれてしまう。本番に向けて、層の厚い投手陣と失策ゼロの守りで、1対0の展開でも勝ちたい。

■水沢商・高橋叶主将

 公立校からの甲子園出場をめざして、頑張りたい。

 練習中も試合中も味方すら思いつかないようなアイデアがたくさん飛び出し、常に挑戦しているチームだ。部活以外でも、一緒に虫を捕りに行ったりするなど仲もいい。

 楽しくプレーするのが、僕たちの野球。そうすると結果もついてくると思うので、自分たちらしさを貫くプレーをしたい。

■大船渡・室竣也主将

 今年は走れる選手が多く、走攻守のバランスがとれたいいチームになっている。良いプレーも良くなかったプレーも、互いに指摘し合えるような仲で、厳しくも楽しく、妥協せずに練習をしている。

 戦う相手が決まって、あとはやるべきことをやるだけだ。甲子園に出場できるよう、大会本番に合わせて練習に力を入れたい。

■盛岡大付・月島夏王翔主将

 対戦が決まり、夏の大会が始まるなという気持ちが強くなった。今年のチームは、接戦であっても勝ちきれる粘り強さが強み。思うようにいかない試合でも、自分たちの野球を貫いて、粘り強く勝ちたい。目標は3年ぶりの夏の甲子園出場。チーム全員で笑って終わりたい。一戦一戦、優勝を目指して駆け上がっていきたい。

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 選手宣誓に希望した選手のなかから、くじで選ばれたのは盛岡南の下田大地主将(3年)だ。

 この日、抽選会に行く前、職員室で先生たちから「宣誓に立候補して引いてこい」と送り出されていた。抽選会後、「まさか選ばれると思っていなくてびっくり。もう緊張してきました」と話した。

 盛岡南は2025年4月に、不来方と統合されることが決まっている。そのため、夏の岩手大会で盛岡南のユニホームを着るのは、今大会で最後になる。「背負っているものは大きい。今まで歴史をつないできた先輩たちへの感謝も、宣誓に入れたい」という。

 選手宣誓の言葉は、部員やマネジャーらと話し合って決める予定だ。「盛岡南の最後にふさわしい選手宣誓をしたい。(試合では)支えてくれた人の応援に応えられるようにがんばりたい」

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