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弓取り式で急きょ代役 新横綱の兄弟子、44歳ベテランが「再登板」

弓取り式を務める聡ノ富士=恵原弘太郎撮影

 大相撲の結びの一番の後に行われる弓取り式。秋場所2日目から、ベテランの44歳が「再登板」で大役を務めている。

 伊勢ケ浜部屋の東序二段45枚目、聡ノ富士(さとのふじ)=本名・松岡久志、群馬県出身。

 弓取りを担ってきた時津風部屋の幕下力士が初日の相撲で負傷し、急きょ代役を託された。

 弓取り力士は、横綱が所属する部屋か一門の幕下経験者を選ぶのが慣例だ。聡ノ富士は、弟弟子だった日馬富士が横綱時代の2013年初場所に初めて任され、18年初場所を最後に後進へ道を譲った。

 3年8カ月ぶりに戻ってきた弓取り式。「流れだけは確認して、あとはぶっつけ本番」で土俵へ向かった。でも「やってみたら体が動いた」。5年以上にわたり磨いてきた技術は、さびついていなかった。

 昭和以降で最年長の弓取り力士だ。「もう年も年なんでね。なかなか、もう見せられる体でもないですし」と本人は自嘲気味だが、キレのある弓さばきは健在。久しぶりに大銀杏(おおいちょう)を結い、化粧まわし姿で立ち回る表情は凜々(りり)しかった。

 このタイミングでの再登板に「感慨深いですね」と聡ノ富士。同部屋の照ノ富士が新横綱として臨む場所だからだ。「なんか、うれしいですね。照ノ富士の頑張りを、近くで見ていたので」

 最高位へ上り詰めた弟弟子が勝利した後の土俵で、重責を果たす毎日。「また本場所で弓取りをできるとは思っていなかった。代役でも、任された限りは、最後までしっかりやろうと思います」。誇らしそうな顔で言った。(松本龍三郎)

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