川島勝司・佐山和夫両氏、野球殿堂に 古関裕而氏届かず
野球殿堂入りが決まった川島勝司さん
野球殿堂博物館(東京都文京区)は14日、今年の野球殿堂入りを発表し、特別表彰で1996年アトランタ五輪の日本代表監督として銀メダルを獲得した川島勝司氏(77)と、野球史に関する多くの著作があるノンフィクション作家で日本高校野球連盟顧問の佐山和夫氏(84)が選ばれた。
プロ野球選手OBが対象の競技者表彰は、98年以来の該当者なしとなった。競技者表彰がプレーヤー、エキスパートの2部門に分かれた2008年以降では初めて。プレーヤー部門は2年連続で選ばれず、得票数トップは昨年に続いて日米通算313セーブの高津臣吾氏。有効投票数の75%以上が必要なところ、72・3%で10票足りなかった。エキスパート部門のトップは、1985、86年に打撃3冠を獲得したランディ・バース氏で70・9%。
川島氏は特別表彰委員会(14人)の投票で13票、佐山氏は12票を得た。候補者の作曲家・古関裕而(こせきゆうじ)氏(故人)は届かなかった。
■川島勝司氏の略歴
かわしま・かつじ 1943年、栃木県佐野市生まれ。群馬・桐生高から中大を経て、日本楽器(現・ヤマハ)に入社。72年に日本楽器の監督に就き、同年に都市対抗初優勝。87、90年と通算13年間で計3度制した。88年のソウル五輪で日本代表コーチ、96年のアトランタ五輪は監督として銀メダルに導いた。2000~12年はトヨタ自動車の監督、総監督。その後、日本野球連盟、全日本アマチュア野球連盟の要職を務め、競技力向上と指導者の育成に尽力。
■佐山和夫氏の略歴
さやま・かずお 1936年、和歌山県出身。慶大卒業後、母校・田辺高教諭などを経てノンフィクション作家に。「史上最高の投手はだれか」で潮ノンフィクション賞、「野球とクジラ」でミズノスポーツライター賞。多数の野球作品のほか、「金栗四三 消えたオリンピック走者」などの著作がある。アメリカ野球学会会員。日本高校野球連盟顧問、選抜高校野球大会21世紀枠特別選考委員。
■野球殿堂とは
1959年創設。プロ野球で顕著な活躍をした選手や監督・コーチ、野球の発展に大きく貢献した人らの功績をたたえて顕彰する。競技者表彰と特別表彰がある。競技者表彰はプロ野球OBが対象で、さらに2部門に分かれて選出される。プレーヤー部門は現役引退後5年経過してから15年間が対象になり、野球取材歴15年以上の記者投票で決まる。エキスパート部門は監督・コーチを引退後6カ月を経過した人や現役引退後21年を経過した人が対象。野球殿堂入りしている人や取材歴30年以上の記者らが投票する。特別表彰はアマチュアや審判員らが対象で、有識者らで構成する特別表彰委員会で選ばれる。選出にはいずれも有効投票の75%以上の得票が必要。
■競技者表彰の上位得票者
■プレーヤー部門 得票数
高津 臣吾 259
山本 昌 244
A・ラミレス 233
※有効投票数358。殿堂入りには269票必要
■エキスパート部門 得票数
R・バース 95
掛布 雅之 73
大沢 啓二(故人) 49
※有効投票数134。殿堂入りには101票必要
01/14 16:56
朝日新聞社