シニアデビューの3人でGPシリーズ完全制覇 勢い増すフィギュア女子ロシア勢  

アレクサンドラ・トルソワ。スケートカナダとロシア杯で優勝した(門井聡撮影)

 フィギュアスケート女子で、今季シニアデビューしたロシア勢の若手3人が圧倒的な強さを見せつけている。グランプリ(GP)シリーズ全6戦の金メダルを独占。それぞれが4回転ジャンプやトリプルアクセル(3回転半)の持ち味を発揮し、一気に主役に躍り出た。フィギュア王国・ロシアで世代交代が進みつつあり、勢いは増すばかりだ。(運動部 久保まりな)
 10月18、19日のスケートアメリカで幕を開けたGPシリーズ。まず鮮烈なGPシリーズデビューを飾ったのは、アンナ・シェルバコワ(15)だった。
 ショートプログラム(SP)4位で迎えた翌日のフリー冒頭で、2度の4回転ルッツを成功させると、基礎点が1・1倍になる演技後半には、ルッツ-ループの3回転連続ジャンプを組み込んだ。技術点は92・20点に上り、合計160・16点をたたき出し、逆転優勝につなげた。同大会4位の坂本花織(シスメックス)は「進化が早すぎじゃない?という感じ」と脱帽するしかなかった。シェルバコワは第4戦の中国杯(11月8、9日)もあっさり制し、早々にファイナル進出を決めた。
 シェルバコワに続いたのが第2戦のスケートカナダ(10月25、26日)に参戦したアレクサンドラ・トルソワ(15)だ。フリーでは、サルコー、ルッツ、トーループの3種類の4回転ジャンプを計4度跳び、166・62点の世界最高得点をマークした。技術点は100・20点と、男子の世界トップクラスの選手にも並ぶほどで、「ロシア勢=4回転」と強く印象づけた。自国開催のロシア杯(11月15、16日)では、SPこそ2018年平昌五輪銀メダルのエフゲニア・メドベージェワに首位を譲ったものの、フリーではジャンプにミスが出てもメドベージェワを逆転し、GP2連勝を飾った。
 “新星”は2人だけにとどまらなかった。3回転半を得意とするアリョーナ・コストルナヤ(16)の台頭だ。第3戦のフランス杯(11月1、2日)、第6戦のNHK杯(11月22、23日)の2戦合計476・00点と3人の中でトップのスコアを記録してGPファイナル進出を決めたのだ。
 4回転ジャンプはないものの、NHK杯のフリーでは演技構成点は72・35点。流れるように跳ぶ3回転半で上積みした技術点も加わり、平昌五輪女王のアリーナ・ザギトワ(17)をも差し置いて、優勝を飾った。
 演技後には「まだ伸びしろはある」と貪欲に語っており、同じリンクに立った紀平梨花(関大KFSC)は、コストルナヤを「安定感があって、どのジャンプも加点がつく」と絶賛した。
 三者三様のスタイルでシニアの世界で活躍する3人。12月5日にトリノで開幕するGPファイナルではどんな進化を遂げているのか。直接対決に注目が集まる。

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