【大リーグ通信】イチローをクビにしたマーリンズCEOのジーター氏 200万ドルのでっかいボーナス

イチローをクビにしたマーリンズのジーターCEOは200万ドルのボーナスを手にてきるかも(中島信生撮影)

 「50歳まで現役」を公言していたイチロー外野手(44)を、チーム大改革の旗印の下で解雇したマーリンズで、CEOを務めるのが共同オーナーでもあるデレク・ジーター氏(43)。選手として活躍したヤンキース時代から紳士として知られるが、どうも風向きが変わってきた。主力を相次いで放出するなど強硬な政策が反感を呼び、「カネの亡者ではないのか」との声が大きくなるばかりなのだ。
 マーリンズの地元紙マイアミ・ヘラルドが衝撃的なニュースを報じた。「ジーター氏はマーリンズを黒字に転じさせたら、さらなる金銭的な報酬を得る」というのだ。金額は今季達成できれば200万ドル(約2億2400万円)。来季以降もこのインセンティブは設定されていて、2022年までに計880万ドル(約9億8600万円)に達する。
 マーリンズの買収に2500万ドル(約28億円)を投じたとされるジーター氏は、CEOの職務で年俸500万ドル(約5億6000万円)を手にすることになっていた。「本給」と「ボーナス」を合わせると、4年あまりで投資額を回収できることになる。
 その見返りは中心になって作成したマーリンズの再建計画。その名も「ウォルフライン・プロジェクト」。ウォルフラインとはジーター氏が育ったミシガン州などに生息するイタチの一種のこと。選手の年俸などの大幅縮減と観客動員の増加、テレビ放映権料の増大を柱にしているという。
 選手に関わる費用のダウンは予想通りに進んでいる。高額年俸の主力を相次ぎ放出して総額9000万ドル(約101億円)以内にすることは確実だ。メジャー屈指の鉄壁の外野陣は59本塁打、132打点でナ・リーグ打撃2冠王のジャンカルロ・スタントン(28)がヤンキースに、マーセル・オズナ(27)はカージナルスに、さらに60盗塁で盗塁王のディー・ゴードン(29)はマリナーズに移った。さらにクリスチャン・イエリッチ外野手(26)ら主力もマーリンズを出る可能性がある。
 スタントンの昨季年俸は2500万ドル(約28億円)と超高額だった。オズナは350万ドル、ゴードンは780万ドル(約8億7000万円)とお値打ちだったが、今季は大幅アップが見込まれていた。見事なまでなジーター氏の経費削減策だ。
 これだけではない。小さな(チームにとって)金額も減らした。球団側に選択権があったものの、200万ドル(約2億2400万円)から減俸になっても構わないと考えていたイチローの希望を吹き飛ばした。
 だが、「年俸総額を抑えることはうまくいきそうだが、それ以外の放映権や観客動員は難航しそうだ」とはESPN。ジーター氏のプロジェクトが計画倒れになるとの危惧を示す。
 マイアミ・ヘラルド紙によれば、本拠地球場で開かれたタウン・ミーティングで、シーズンチケットを所有するファンからジーター氏に「球団買収に12億ドル(約1360億円)も使ってお金がなくなったのか」「見たい選手が誰もいなくなった。チケットを払い戻して欲しい」との厳しい声が相次いだ。
 今年受け取るサラリーが700万ドル(約7億9000万円)に達するジーター氏。マーリンズはいい買い物になるようだ。
■デレク・ジーター(Derek Jeter) 1974年6月26日、米ニュージャージー州出身。4歳でミシガン州に移る。高校時代は野球とバスケットボールでならし、92年ドラフトでヤンキースから1巡目で指名された。95年にメジャー昇格し、シュアな打撃と華麗な守備で遊撃手として定着。2014年に引退するまでヤンキース一筋でプレーした。メジャー20年で通算3465安打、打率.310。右投げ右打ち。

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