「賭博と事故さえなければ」バトミントン桃田賢斗、波乱のキャリアに幕を閉じるも…ファンから「まだ見たかった」惜しむ声
この男なくして、日本バドミントン界の躍進はなかっただろう。
日本代表からの引退を表明していたバドミントン元世界王者の桃田賢斗が、11月2日、今季限りで第一線から退く意向であることが明らかになった。桃田は現在、2日に開幕したS/J リーグにNTT東日本のメンバーとして出場中。関係者によると、12月の全日本総合選手権には出場せず、2025年2月のリーグ終了をもってラケットを置く決意を固めているという。
ネット際の巧みなプレーと多彩なショット、豊富なスタミナを武器に、ジュニア時代からメキメキ頭角を現した。2014年の国際大会デビュー後は破竹の勢いで勝ち進み、五輪のメダルが確実視されていたホープだが、突然躓いたのが、違法賭博問題だった。
「2016年4月、当時世界ランク4位だった桃田賢斗選手とロンドン五輪で日本代表だった田児賢一選手が、都内の違法な闇カジノ店に頻繁に出入りし、賭博行為に興じていたことが発覚しました。
この結果、リオデジャネイロ五輪の代表候補だった桃田選手は無期限の公式競技会出場停止となり、五輪強化指定選手から外されることに。有力なメダル候補でありながら、自身の軽率な行為でそのチャンスが潰えたわけですから、桃田選手の後悔の念は相当なものだったようです。
謹慎中はNTT東日本の社員として業務をこなしながら、社会貢献活動に参加。人が変わったように、肉体改造トレーニングに打ち込んでいたといいます」(スポーツ紙記者)
その甲斐あってか、2018年1月に代表復帰後は、日本男子初となる世界選手権初優勝をなしとげる。同年、世界ランク1位に上りつめ、さらに2019年には国際大会で年間11勝をマークして「男子シングルス年間最多勝利数」のギネス世界記録に輝いている。
まさに黄金期を迎えていた桃田を、悪夢のようなアクシデントが襲ったのは2020年のこと。
「2020年1月、マレーシア・マスターズで優勝したのち、帰国のためにクアラルンプール国際空港に向かっていた桃田選手の乗っていた車が、高速道路で追突事故を起こしました。
全身打撲に加え、目や鼻を負傷して帰国した桃田選手でしたが、眼窩底骨折が判明。手術を受けて再起を図ったものの、シャトルが見えないなどの後遺症を負うことになりました。
その影響や度重なる故障も原因してか、2021年の東京五輪は1次リーグで敗退。今夏のパリ五輪出場にもコンディションの不調で出場できず、完全復活はとうとう叶いませんでした」(同)
金メダルを狙える実力を持ちつつも果たせず、波乱に満ちた競技人生を歩んだ不運のレジェンドに、Xでは労いの声が相次いだ。
《周りがまだ出来るよ、って言うのは簡単。現役続行ならば、『桃田賢斗なら絶対優勝』 みたいな見方も勿論されるでしょうし。なんやかんや一番自分のこと解ってるの本人だからね。 20歳代に沢山のこと経験し過ぎたよね。 最後の試合は存分に楽しんで欲しい。》
《桃田賢斗くん引退かぁ~ ひそかにずっと応援してたんだけどな あの怪我でシャトル見えにくいから仕方ないのかもだけど、、、もっと観たかったな》
《無双状態だったのにな。。 賭博と事故がなければ。。》
気になる引退後だが、チームはバドミントンをメジャースポーツに導いた功労者の桃田に、指導者のポストを用意しているという。桃田自身、後進の育成に関心があるようで、かつて痛ましい事故に遭遇した2020年大晦日の投稿では次のように綴っている。
《バドミントン選手としてどうあるべきか? 今年は事故もあり、もしかしたらバドミントンができなくなるのではないか? とも考えた年でもありました。でも僕はバドミントンしかしてこなかった。どう広めれば将来バドミントン選手になりたい!と思える子供達がでてくるか?子供達の育成ができるか?》
指導者や解説者としてバドミントン界を盛り上げる役割を期待される一方で、すんなりその道を選ぶかどうかはまだまだ不透明だ。前出のスポーツ紙記者が語る。
「ハードな現役生活の代償で、長時間座っていたり10分以上歩くのがしんどかったり、重い腰のヘルニアに悩まされていると聞いています。
日本代表の引退会見では、『(引退後は)自動車の免許を取りに行きたい』と話していました。本人に『引退後はひっそり生活したい』願望もあるようですし、残り少ない現役の間にゆっくり考えるつもりなのでしょう」
ともあれ、第2の人生に幸あれ!
11/03 10:40
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