田中将大「年俸激減の危機」藤浪晋太郎「メジャー復帰狙うも厳しい現実」日米大物2投手が直面する“正念場”
現在、おこなわれている日本シリーズが終了すれば、各球団とも秋季練習、そして契約更改へと進み、その後は来季に向けたストーブリーグが開幕する。
セ・パ12球団中、監督が代わると発表されたのは、セでは阪神と中日、パでは楽天とオリックスの4球団。西武がまだ流動的だという。
驚かされたのが楽天。今江敏晃監督が電撃解任されたのだ。契約年数をあと1年残していたが、球団幹部たちにとっては、3年連続4位という結果が、ことのほか重くのしかかっていたのかもしれない。
受け継いだのは三木肇二軍監督。2020年には一軍の監督を務めていたので、5年ぶりの復帰ということになる。三木監督は「選手とファンとワンチームで」と抱負を語っているが、就任早々、気の重い仕事が待っている。それは日米合わせて通算18年めの今季、初めて未勝利に終わった田中将大の処遇である。
今季、田中は、名球会入りの条件となる(日米通算)200勝まであと3勝という立場でシーズンに臨んだ。しかし、2023年10月に受けた3度めとなる右肘関節鏡視下クリーニング術の影響もあってか、調子は上がらず、一軍での今季初登板は9月28日のオリックス戦。先発して5回を6安打、1本塁打を浴びて4失点。登板後には一軍登録を抹消され、今季は1試合登板のみで終わった。
田中は2021年に、ヤンキースから楽天に復帰したが、契約内容は2年契約の年俸9億円プラス出来高払いと、日本球界最高だった。だが、復帰1年めは4勝9敗、2年めは9勝12敗で、2022年シーズン終了後の契約更改で、減額制限を超える年俸4億7500万円プラス出来高払いでサインせざるを得なかった。昨季も7勝11敗と不振は続き、またも大減俸の2億6000万円プラス出来高払いで更改したが、今季はプロ初の未勝利と、年俸が上がる要素はまったくない。
「田中の契約問題は、球団としては本当に頭の痛い話なんです。何しろ楽天が球団初の優勝をとげた2013年には、24勝0敗と無双の活躍を見せた最大の功労者。
でも、今季の成績を見れば、さらなる大幅減俸は仕方のないところ。再契約なら1億円以下が妥当ですが、それを提示できるのか。その提示額を田中が飲めるのか。現在、田中はオフ返上でトレーニングを続けています。復活にかける思いからなのはもちろんですが、『来季はやってやる』といったチームへのアピールでもあると思います」(楽天担当記者)
一部の新聞では「巨人へ電撃移籍か」「日ハム・新庄監督なら再生できる」といった報道があったが、「可能性はある」と記者は続ける。
「来季もし、1億円以上の年俸で契約したら、ほかの選手への示しがつきません。そこで考えられるのが、1億円以下の契約を提示するとともに、自由契約の提示をするというやり方。功労者だけに、年俸は大幅減でも来季の契約は自身で選べるということです。こうすれば田中のプライドも守られるでしょう。巨人は菅野智之がメジャー宣言をしていますから、もし田中が自由契約となれば獲得に動くことは間違いないでしょう」
もうひとりの大物で、去就が注目されているのが、今季、メッツ傘下3Aのみで終わってしまった藤波晋太郎だ。
「本人は、来季こそメジャー定着を狙っているようですが、現実は厳しいようです。160km/hを超すフォーシームにわかっていても打てないスプリットと、持ち球は一級品であることは間違いありません。
しかし、今日、調子がよかったから次も大丈夫か、といったらそうは言えない。要するに、投げてみないとわからないことや、突然崩れるパターンはいまも変わっていません。これでは、ほしいと手をあげる球団は少ないでしょう。やはり現実的には日本への復帰が強いです。
阪神は、岡田彰布前監督が獲得にあまり乗り気ではなかったといいますが、藤川球児監督になり、方向性も変わってきたようです。藤川監督は投手出身なので、再生には打ってつけの存在といえます。同じ関西のオリックスも獲得に動くのでは、といわれています」
藤波は、11月から始まるプエルトリコのウインターリーグでギンガスの一員としてプレーし、メジャー復帰をアピールするということだが、果たして……。
10/30 07:18
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