清原の息子がドラフトへ!現役スカウトは「指名されても下位」予想も“親子鷹”が期待されている理由

後列中央でほほ笑むのが、清原和博の息子、清原正吾だ(写真・共同通信)

 

 慶應義塾大学4年の清原正吾内野手が、2024年秋に行われるドラフト会議で指名対象となるため、プロ野球志望届を全日本大学野球連盟に提出した。

 

 9月12日、志望届を提出した後に取材対応を行った正吾は「昨日の夜、気持ちを込めてプロ志望届を書きました」と、さわやかな笑顔とともに語った。また、決断に至った心境について聞かれると「大学から野球を始めて4年間やってきてラストイヤーってところで、自分の中で『挑戦』と『覚悟』っていうところが一番大きいですし、あとはシンプルに父親である清原和博という背中を見てきましたから」と、父・和博の存在の大きさを強調した。

 

 正吾の父はPL学園時代に甲子園歴代最多の通算13本塁打を放ち、プロ入り後は西武、巨人、そしてオリックスでプロ通算525本塁打を記録した清原和博氏だ。

 

 

 一方で長男である正吾は、小3時に「オール麻布」で野球を始めるが、中学はバレーボール部、慶応高ではアメリカンフットボール部で活躍。慶大で野球に再転向したが、6年間のブランクがあった。慶大入学時は、そのレベルの高さに戸惑うところはあったものの、徐々に才能を発揮。今春のリーグ戦では、一塁手としてベストナインに選ばれた。西武入団時の父と変わらぬ身長186センチ、体重90キロのサイズも魅力だ。

 

 ただし、大学の公式戦では本塁打はゼロ。そのあたりをプロのスカウトはどう見ているのか。

 

「まず長所で挙げられるのが父親譲りの体格であり、パワーですね。また、6年間のブランクがあったとはいえ、慶大のレギュラーをつかんでいるわけですからセンスはあります。また、短時間でここまで来たということは、伸びしろはさらにあるということです。でも、実績もほとんどなく、指名されるとしたら下位でのことでしょう」(在京の某スカウト)

 

 一方、現在の日本球界のスターは、大谷翔平に代表されるように海を渡る傾向にある。その意味でも「スター性のある選手はぜひプロ野球界にほしい」と語るのは、スポーツ紙デスク。

 

「メジャーでは、グリフィーJr.やゲレーロJR.といったように“親子鷹”の名選手は大勢います。でも、日本球界はとなると、息子がプロになっても大成しないというのが定説なんです。長嶋茂雄と一茂がそうでした。一茂と正吾の大学時代を比べると、一茂のほうが成績はいい。でも、一茂もプロではトップになれませんでした」

 

 では、大学時代の成績がさらに落ちる正吾なら「さらに無理なのでは」と思ってしまうが……。前出のスカウトはその予想を否定した。

 

「プロの関係者や我々マスコミの見方は逆なんです。成績の劣る正吾のほうが大成するのではと見ています。

 

 それは性格の部分。なぜなら、一茂は進歩に淡白でしたが、正吾は情熱をもって自分を高めようとしている。日本では無理と言われた“親子鷹”をぜひ実現してほしい、とスポーツマスコミはみな思っています」(前出・スポーツ紙デスク)

 

 X上でも正吾がプロで、というより一茂との対比に盛り上がりを見せている。

 

《長嶋一茂の再来か? 話題性はあるだろうし》

 

《慶應義塾大学野球部の清原正吾くんは、体格よし性格よし顔もよし、スター性があるな。 長嶋一茂みたいに怠けずに地道に努力して欲しい》

 

《清原正吾、父親譲りのセンスあるから、大学から再開したにも関わらず徐々に打撃成績上げてて先月日ハム二軍相手にホームランも放ってるんだよね 下位や特に育成なら話題性だけでなく将来性見越して野村克則長嶋一茂みたいにドラフトで獲得してくる球団は普通にありそう》

 

 日本のプロ野球界では、いまだ実現したとは言えそうにない“親子鷹”。さらに、「高校で野球部以外に所属していたプロ野球選手は大成しない」という現実。正吾は2つのジンクスに挑むことになる。

 

 自身の価値を高める場の秋季リーグは9月14日に開幕し、運命のドラフト会議は10月24日に開催される。

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