張本智和、世界王者に惜敗もフランス人たちから「ハーリモト!」コールの大合唱 理由を観客に聞いた

得点するたびに雄叫びをあげていた張本智和(写真・JMPA)

 

 8月1日(現地時間)、パリ五輪男子卓球日本代表の張本智和(世界ランキング9位)が、東京五輪銀メダリストで世界卓球2連覇中の王者、中国代表の樊振東(同4位)に3-4で敗退。メダル獲得はかなわなかった。

 

「フルセットにまでもつれる接戦で、現場の観客も大盛り上がりでした。どちらかが1セット取れば片方が取り返す、まさにシーソーゲームでしたから。興味深かったのは、地元のフランス人たちが、みんな張本選手を応援していたことです」(現地記者)

 

 張本が得点すると、観客席は大盛り上がり。「ハーリモト! ハーリモト!」とコールが起こり、足を踏み鳴らしてエールを送っていた。

 

「逆に、中国人選手が得点すると、中国の応援団が大きな声をあげてエールを送っていました。さながら、観客同士も対決しているような雰囲気でしたよ。最終セットは、かなり樊選手に押されていたこともあって、張本コールはだんだん少なくなり、中国人応援団のかけ声にかき消されていきましたが……」(同前)

 

 

 現地で観戦していたフランス人に、なぜ張本を応援するのか聞いた。

 

「張本は、13歳で世界大会で好成績を収めたんだろう? こっちの卓球好きでは、有名人だよ。すごいプレイヤーだからね」

 

 張本はたしかに、13歳で参加した世界選手権シングルスで、最年少でベスト8に輝いた実績を持つ。だが、フランス人が彼を応援するのはそれだけが理由ではない。

 

「じつは、この試合の勝者が次に当たるのが、フランス代表の選手なんだよ(笑)。世界王者と当たるよりは、張本のほうがましだろう? まあどちらと戦うにせよ、強いのは間違いないのだけど……」(前出・フランス人観客)

 

 結局、張本は敗れたが、ナイスゲームにスタジアムは大盛り上がりだった。フランスには残念な結果だったかもしれないが、選手をたたえる気持ちはいずれの国も変わらないようだ。

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