「ピッチクロックいらん」「高校野球より速い」西武-日ハム戦 2時間11分で試合終了の “ワケ”

移籍後初の完投勝利をあげた日本ハム・山﨑福也

 

 4月30日、ベルーナドーム(埼玉県所沢市)でおこなわれたプロ野球・西武-日本ハムの試合。2対1で日本ハムが勝利を収めたが、注目を集めたのは試合時間だった。

 

 試合開始が午後6時ちょうどで、終了したのが8時11分。つまり、わずか2時間11分で試合が終わってしまったのだ。今季のプロ野球では、最短とみられる。

 

 

 近年のパ・リーグの平均試合時間は、

 

・2021年=3時間15分
・2022年=3時間13分
・2023年=3時間12分

 

 つまり、平均より1時間も短かったというわけだ。SNSでは

 

《ピッチクロックなしでこの試合時間は凄い!》

 

《めちゃくちゃ早い試合だった。ピッチクロックなんていらんでー》

 

《高校野球より速いやん笑》

 

《もう1試合できそう》

 

 など、驚く声が多数ある。

 

 これほど試合時間が短かった最大の要因は、西武の平良海馬、日本ハムの山﨑福也の両先発投手だという。

 

「平良はクローザーから先発に転向した2023年、『スピードアップ賞』を受賞しています。レギュラーシーズンでもっとも平均投球間隔(無走者時)が短かった投手を対象とする賞で、平良の投球間隔は9.8秒でした。

 

 一方の山﨑も、テンポよく投げることで有名です。それに加え、与四球の少なさ、初球のストライク率の高さは、リーグでもトップクラス。

 

 2022年度のパ・リーグで最短だったのは、9月2日のロッテ-オリックス戦で2時間16分。この試合の先発投手は当時オリックスだった山﨑です」(スポーツライター)

 

 4月30日の試合で、平良は7回まで投げて被安打8、四死球が2。山崎は9回まで完投し、許したヒットはわずか3本、四死球なしという見事なピッチング。しかも投球数はわずか97だった。

 

「この2人が再び先発で対戦し、ともに好調であれば、試合時間が1時間台ということもありえます。また、セ・リーグには投球間隔9.0秒で2023年の『スピードアップ賞』を受賞した広島の床田寛樹、2020年と2021年に同賞を連続受賞した巨人の戸郷翔征という先発もいますから、交流戦で対戦があれば注目です」(同前)

 

 プロ野球で最後に試合時間が1時間台だったのは、2009年10月10日の広島-巨人戦で、1時間52分。ヒットは両チームともに2本ずつだった。ダラダラした試合はいただけないものの、ここまでだとさすがに味気ないか――。

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