15歳の張本美和、世界ランク初の8位に急上昇 兄・智和とともに「対策チーム」立ち上げる中国の“警戒心”

マカオでおこなわれた卓球ワールドカップで、女子シングルス銅メダルを獲得した張本美和(右)。兄の智和も男子シングルスで銅メダルを獲得した(写真・千葉 格/アフロ)

 

 若さはときに、信じられないまでのスピードで成長を手助けする。

 

 国際卓球連盟(ITTF)は、2024年の最新世界ランキングを4月23日に発表し、パリ五輪卓球女子日本代表の張本美和が、8位にランクアップした。15歳の張本にとっては初のトップ10入りだ。

 

 最年少のトップ10入りは、14歳7カ月で9位に入った伊藤美誠がいるが、これまでの女子卓球界を引っ張ってきた福原愛や平野美宇を超える早さだった。2022年から世界ツアーに参戦し、このときのランクは世界624位。わずか2年で順位を600以上、上げたことになる。

 

 

 トップ10入りの予兆はあった。マカオで開催された前戦のW杯決勝トーナメント1回戦で、当時世界3位の王芸迪(中国)を4-1で撃破。準決勝で同2位の王曼昱に2-4で敗れたものの、各セットは手に汗握る接戦だった。王曼昱が勝った瞬間、ガッツポーズをしながら座り込んでしまったことが、いかに彼女にとって苦しい戦いだったかを表していた。

 

 張本の急成長は、本人も驚いているだろうが、いちばん驚き、警戒しているのは卓球王国・中国であることは間違いない。中国メディアの『新浪体育』は「この15歳はただ者ではない。すさまじいスピードで変化し、末恐ろしい」と警戒心を強める一方で「張本はとても美しく、礼儀正しく見えた」とW杯銅メダル獲得の表彰台での所作を称えた。

 

 同じく中国メディアの『捜狐網』も「五輪のサイクルが回ってきて、新星となっている15歳の日本人は大きな可能性を秘めている。この段階での進歩は明らかに予想を超えており、兄のトモカズ・ハリモトを上回る可能性もある」と絶賛した。

 

「パリ五輪では、女子団体戦要員で金メダルを目指すわけですが、現段階では女子シングルスより団体戦のほうが、金メダルの可能性はあるといわれています。当然、中国も警戒していますが、選手では個人戦出場の早田ひな平野美宇より、張本に注目しています。何より15歳という若さが怖い。勢いに乗ったら手がつけられなくなりますからね。さっそく『張本美和対策チーム』を立ち上げ、強化していると聞いています。中国チームの分析力は優れていますが、その分析より張本の成長が上回れば、悲願の金メダルが見えてきます」(スポーツライター)

 

 W杯では、男子で銅メダルを獲得した兄・智和とともに表彰台に上った。

 

「女子に比べ、男子は東京五輪時よりメンバー的に落ちるといわれていますが、エースの張本智和だけは、話は別。美和と一緒に、先のW杯では銅メダルを獲得していますから。彼はメンタルが強く、大舞台のほうが力を発揮できます。妹同様、中国は『張本智和対策チーム』に力を入れています」(同前)

 

 美和は4月22日、自身のXに《お兄ちゃんと一緒に表彰台に上がることができてとても嬉しいです》《結果に満足しないでもっともっと練習に励みます! 私は努力し続けます。夢を叶えるまで》とつづった。

 

 宿敵・中国撃破のために、張本兄妹の進化は止まらない!

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