水原氏の違法賭博をスクープした “敏腕記者” は「バウアーを追い詰めた女」だった

写真:西村尚己/アフロスポーツ

 

 アメリカでも社会的な注目を集めている水原一平通訳の違法賭博問題。日本時間3月26日には、疑惑の発覚後、初めて大谷翔平が報道陣の取材に応じることになっている。

 

「この件はスポーツニュースだけではなく、主要メディアのワシントンポストやニューヨークタイムズ、アメリカの3大ネットワークがこぞって取り上げています。

 

 

 大谷選手の結婚について、東海岸のメディアではほとんど報道が出なかったのと大きな違いがあります。というのも、今回は “事件性” があるからです。

 

 主要メディアも『野球界最大のスターに驚愕のスキャンダル』といったタイトルで、かなり踏み込んだ報道をしています」(ニューヨーク在住のジャーナリスト)

 

 この件をいち早く報じたのは、アメリカのスポーツ専門メディア「ESPN」だった。

 

 ことの発端は、違法賭博の胴元に大谷の口座から高額の送金があったという情報をESPNがつかんだことだった。十分な裏付けを取ったうえで、ESPNはドジャースや大谷の代理人などに問い合わせをおこない、事態は大きく動いていく。

 

 ESPNの取材の中心となっているのが、ティシャ・トンプソン記者だ。水原通訳に90分の電話インタビューをおこない『大谷が借金を肩代わりすることを引き受けた』などの話を引き出し、一連の取材の生々しい展開を時系列で説明するなど、この事件の報道では独走状態にある。

 

「トンプソン記者は、ESPNのホームページでは『Investigative Reporter』、調査報道記者と紹介されています。ESPNはスポーツ専門メディアですが、そのなかでも特殊な立場だとわかります。

 

『スポーツと権力の交差点を探る複雑な調査』を専門とし、MLBだけでなく、NFLやNBAなどほぼすべてのプロスポーツやオリンピックなど、スポーツ界で起きている論争を多く取材。その調査報道によって、これまで多くの賞を受賞しています。

 

 彼女の代表的な取材経験のひとつにあげられているのが、2023年にDeNAで10勝をあげたトレバー・バウアー投手の事件です」(週刊誌記者)

 

 バウアーはドジャースに在籍していた2021年、女性に暴行したとして訴訟を起こされ、MLBから出場停止処分に。その後、ドジャースから解雇されている。

 

「トンプソン記者は超名門のプリンストン大学を卒業し、ミズーリ大学のジャーナリズム大学院で修士号を取得。2017年にESPNへ入社する前は複数のテレビ局で調査報道記者として働き、政治記者の経験もあります。

 

 5世代前から続くジャーナリスト一家に生まれたといいますから、まさに筋金入り。地道な調査によって複雑な事件を解析していくスペシャリストです」(週刊誌記者)

 

 もはや、逃げ道はない――。

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