「貴乃花の二の舞にならなきゃいいけど」元白鵬に寄せられる危惧…「大横綱、弟子の暴力で降格」に重なる足跡

日本相撲協会の臨時理事会に出席するため、部屋を出る幕内・北青鵬(写真・時事通信)

 

 2月23日、日本相撲協会が臨時理事会を開き、幕内・北青鵬の引退届の受理と、師匠の宮城野親方(元横綱・白鵬)の2階級降格などの処分を決定した。

 

 協会の調査によると、北青鵬は2022年7月ごろから弟弟子に対して「顔面、背中及び睾丸への平手打ち等」「殺虫剤スプレーに点火してバーナー状にした炎を体へ近づける」などの暴行を日常的におこなっていたという。

 

 

 宮城野親方の処分は、「委員」から序列がもっとも下の「年寄」への2階級降格と、報酬の減額。協会はさらに「師匠としての素養、自覚が大きく欠如している」と指摘。3月の春場所では所属する伊勢ヶ濱一門の親方が師匠を代行し、4月からは部屋を一門の預かりとし、宮城野親方に対し師匠・親方としての指導や教育をおこなうとしている。

 

「暴力行為をおこなっていた北青鵬は『引退受理』ですが、実質的には角界追放の処分です。宮城野親方への処分は『厳しすぎる』という声も一部にはありますが、1年以上も続いていた暴力を把握しながらそれを止められなかったわけで、これも当然です。協会のコンプライアンス委員会からは『協会から排除すべき』という厳しい意見まで出ていたほどなので、部屋を一門の預かりとする“師匠はく奪”という処分も妥当と言えるでしょう」(相撲ライター)

 

 元大横綱が弟子の暴力による処分――ときいて多くの人が思い出すのが、貴乃花ではないだろうか。

 

 2017年秋、日馬富士による貴乃花部屋の貴ノ岩に対する傷害事件が起きて以降、貴乃花親方は相撲協会に反発する言動を繰り返し、問題視されていた。この件では、当時巡業部長でありながら協会への報告を怠ったことで、2018年1月に、協会の「理事」から「役員待遇委員」へと2階級の降格処分を受けた。

 

 その後、2月の理事選に落選したことで「委員」に降格。そして3月には弟子の貴公俊が付け人への暴行事件を起こしたことで、「委員」から「年寄」へ再びの2階級降格処分を受けていた。

 

 そして2018年9月には、相撲協会を退職し、貴乃花部屋は消滅している。

 

「横綱、大関は引退して親方になっても序列が下から3番めの『委員』という別格の扱いを受けます。それが『平』の年寄になるわけですから、大横綱としてのプライドが傷つかないわけはありません。

 

 宮城野親方には、ゆくゆくは理事長の座を狙っているという噂もありますが、この件でその座はかなり遠のいたと言えます」(同前)

 

 SNSには

 

《貴乃花みたいに早まったことだけはしてほしくないです》

 

《白鵬が貴乃花化することだけは避けなきゃならん。貴乃花の時も思ったが、弟子たちが不憫だよ》

 

貴乃花の二の舞にならなきゃよいけど。。》

 

 など、心配する声が多数見られる。まさにいまが“土俵際”といったところか――。

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