「影のMVP」「なんて贅沢なレース」女子マラソン日本新記録を導いた“ペースメーカー”新谷仁美に集まる称賛

大阪国際女子マラソンで日本新記録を達成した前田穂南

 

 1月28日におこなわれた大阪国際女子マラソンで、前田穂南(ほなみ)が2時間18分59秒でフィニッシュ。2005年のベルリンマラソンで野口みずきがマークした2時間19分12秒を19年ぶりに更新し、日本新記録の快挙を達成した。

 

 パリ五輪代表選考として注目を集めたレースだが、選手以上に注目を集めたのが「ペースメーカー」だった。SNSでは

 

 

《大阪国際女子マラソン いよいよ始まるな なんと!新谷仁美さんかペースメーカーなのか 楽しみ》

 

《今回のペースメーカーには女子マラソン日本現役最速の新谷仁美が入るという、かなりすごいラインアップ》

 

 と、レース開始前から注目する声が多数あがっていた。

 

「2003年、日本陸上競技連盟が導入を発表して以降、国内の多くの大会でペースメーカーが走っています。先導することで、ランナーの目安となり、好記録が出やすくなるとされています。

 

 今回、そのペースメーカーをつとめたひとりが、新谷仁美です。35歳ですが、2021年の東京五輪では1万mに出場。2023年1月にはヒューストンマラソンで、日本女子歴代2位となる2時間19分24秒で優勝しており、現役バリバリのアスリートです。そんな選手がペースメーカーだというのですから、レースへの期待が高まったのも当然でしょう」(週刊誌記者)

 

 スタート時の気温が9.3℃という良好なコンディションもあり、レースはハイペースで展開。レース中も《ペースメーカーだけど新谷さん調子よさそう》《そのまま先頭でゴールしても何の不思議も無いなw》など、新谷の走りに注目する投稿は多く、Xでは「ペースメーカー」がトレンド入りする事態となった。

 

 レースは、21kmすぎで前田がペースメーカーの前に出る展開となり、31km付近で優勝したエチオピアのエデサに抜かれたものの、2位で新記録を樹立した。SNSには

 

新谷仁美さんのペースメーカーが流石すぎて感動。絶対影のMVP》

 

《ペースメーカー新谷さんかっこよかったです…!なんて贅沢なレースなんだ~~~!》

 

 など、新谷の走りを讃える声が。30kmすぎまで走り、役目を終えた新谷は「日本の長距離界のレベルを引き上げたいという思いで引き受けました。私のやるべきことなので、その気持ちに従って決めました」とコメントしている。

 

「新谷の今回の契約は1km3分20秒、5km16分40秒のペースで30kmまで。誰でもできる仕事ではなく、みごとにその役割を果たしたといえるでしょう」(同前)

 

 中継で解説をつとめていた、かつての日本記録保持者の渋井陽子も「新谷さんがいい仕事をしております」と、“プロの仕事”ぶりを称賛していた。出場選手より注目を集めるとは、さすがだ。

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